複数の金融機関の借金が重なり、返済に行き詰まってしまう状況は誰にでも起こりえます。特に収入が安定しない時期や、急な出費が重なった時には、あっという間に借金の額が膨らんでしまうことも珍しくありません。
何社もの金融機関からの督促に追われる生活は精神的な負担が大きく、家族関係にも悪影響を及ぼすことがあります。夜も眠れなくなったり、仕事に集中できなくなったりと、日常生活にも支障をきたすケースも少なくありません。
しかし、多重債務から抜け出す道は存在します。相談窓口や解決方法を知ることで、借金問題から解放される第一歩を踏み出せるのです。今回は多重債務の基本的な知識から、具体的な解決方法までを詳しく解説します。
多重債務とは？
多重債務は誰もが陥る可能性のある金銭的窮地です。その仕組みや原因を理解することで、効果的な対処法を見つけられます。
多重債務の概要
多重債務とは、複数の金融機関から借金をしており、経済的に困窮している状態を指します。すでにある借金の返済に充てるために、複数の金融機関から借り入れを繰り返し、利息の支払いもかさんで借金が雪だるま式に増え続けているケースも多いです。
複数の借金がある状態は、1社からの借金のみではお金のやり繰りができなくなっていることを示しており、どこか1社への返済が滞れば全ての返済ができなくなる恐れがあります。
多重債務に陥る原因
多重債務に陥る原因としては、クレジットカードやローンの安易な利用、必要以上の借り入れが代表的です。
借金を返済するためだけに借金を繰り返す「自転車操業」状態や、ギャンブルをはじめとする依存症も多重債務の原因となっています。
生活苦・低所得、無計画な借り入れ、商品・サービスの過剰購入、ギャンブル、第三者の債務の肩代わりなども多重債務に陥りやすい要因です。
借金を返済するために別の金融機関からお金を借りる。そして新たにできた借金を返済するためにまた別の金融機関からお金を借りる。このような「借りては返す」の繰り返しで日々の生活や事業を続けている状態を「自転車操業」と言います。 ペダルを漕ぎ[…]
多重債務のリスク
多重債務は、返済ができないことで結果として滞納につながり、遅延損害金による返済額の増加、督促や一括返済の請求、差押えにまで発展するリスクがあります。
複数の借金で経済的に追い詰められてしまうと個人での解決はきわめて難しく、司法書士を介しての債務整理や裁判所による自己破産手続きを受けるケースが多いです。
利息によって借入額が増えていくケースが多いため、多額の借金が返済不能になることもあります。
このように多重債務は単なる経済的な問題だけでなく、精神的な健康や家庭環境、社会生活など様々な面に影響を与えます。いち早く解決の道を見出すことが、生活の安定と心の平穏を取り戻すために不可欠です。
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多重債務の解決方法
多重債務から抜け出すためには、専門的な知識やサポートが必要です。様々な相談窓口や解決方法を知ることで、適切な対応が可能になります。
多重債務の相談窓口を紹介
各地の多重債務相談窓口を利用する方法があります。
例えば、東海財務局多重債務相談窓口（電話052-951-1764）では、返済しきれない借金を抱え、悩んでいる方々の相談に応じており、専門の相談員が借り入れの状況などを聞き、必要に応じて専門家の紹介が可能です。
横浜財務事務所の多重債務相談窓口（電話045-633-2335）では、債務が少額であっても、返済に不安がある場合は専門の相談員が無料で相談に応じています。多重債務の相談は無料で秘密は厳守され、相談時間は月曜日から金曜日（祝日を除く）9時から12時及び13時から17時です。
自力で多重債務を解決する方法
自力で多重債務を解決する方法としては、転職や副業による収入アップによって、毎月の返済額を増やすという方法がもっとも一般的です。
適切な方法で対処すれば、多重債務の状態から抜け出せる可能性があるものの、現実的には簡単に収入アップはできず、自力での解決は難しいでしょう。
多重債務に悩んだら、一人で抱え込まず、相談窓口を利用することが解決への一歩といえるでしょう。
周囲に相談しづらい問題だからこそ、専門の相談窓口の存在は大きな助けとなります。全国の地方自治体などでも多重債務者向けの相談会を定期的に開催しており、専門家による的確なアドバイスを受けられます。
さらに、消費者生活センターでも借金に関する相談が可能です。相談員が状況を丁寧に聞き取り、最適な解決方法を一緒に考えてくれるため、一人で悩みを抱え込んでいる方は、まずは電話で相談してみてはいかがでしょうか。
早めに対処することが大切
多重債務問題は早めに相談することで解決しやすくなり、放置するほど状況が悪化する傾向にあります。
早めに相談すればそれだけ費用も時間もストレスも少なくて済むため、問題が大きくなる前に借金問題のプロである司法書士に相談することが重要です。
多重債務の状態では利息によって借入額が増えていくケースが多いため、早期の問題の発見と解決が肝心です。
問題を先送りにすればするほど、債務の総額は増えていきます。例えば、50万円の借金が、半年後には70万円に、1年後には100万円に膨らんでしまうこともあります。早期の対応は経済的な負担の軽減だけでなく、精神的な負担の軽減にもつながるのです。
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多重債務解決の最適解は債務整理
債務整理は、多重債務の解決に非常に効果的です。しかし、手続きは複数の選択肢があるため、状況に応じて最適な方法を選びましょう。
任意整理
任意整理とは、司法書士が裁判所を利用しないで、金融機関と直接和解交渉し、長期の分割払いで支払う方法です。
裁判所を通さない手続きであるため、柔軟な対応が可能になります。たとえば、連帯保証人がいる借金や自動車ローンを対象から外すことも可能です。
任意整理の際、昔の借金には利息制限法の定めを超える利息がついていることもあるため、この部分について減額を求め、残った債務を長期の分割にて支払っていきます。
任意整理のメリットは、比較的短期間で手続きが完了し、費用も他の債務整理方法と比べて低く抑えられる点です。また、職業制限がないため、公務員や宅建業者など資格が必要な職業に就いている方でも安心して利用できます。
一方、デメリットとしては、債務の元本は残るため、完全に借金がなくなるわけではないことです。また、任意整理をした金融機関の信用情報機関にブラックリスト登録され、5年程度は新たな借り入れができなくなります。
個人再生
個人再生は、借金で苦しむ人のための救済手段として、裁判所への申し立てにより債務の一部免除を受けられる制度です。
『民事再生法』にもとづき裁判所（地方裁判所）が関与し、債務者の再生を図るため、債権者との間の権利関係を調整する方法で、住宅ローンを除いた債務を減額し、原則３年（事情次第で５年）で返済が可能な人が利用できます。
例えば、残債務が500万円である場合、このうち100万円を３年間で返済するという再生計画案を立て、これが裁判所によって認可され、3年間に再生計画どおり返済すれば、残りの400万円の債務が免除されます。
個人再生のメリットは、住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを手放さずに債務整理ができる点です。住宅ローン以外の債務を大幅に減額できるため、家族の住む場所を確保しながら借金問題を解決できます。
ただし、手続きが複雑で時間もかかるため、専門家のサポートが必須といえるでしょう。
自己破産
自己破産とは、財産や収入が不足して支払不能なこと（借金返済の見込みがないこと）などを裁判所に認めてもらい、原則として借金の支払義務を免除してもらう手続きです。
破産手続において、全く資産がなく、免責不許可事由（浪費など）がない人は、破産手続きの開始決定と同時に破産手続きを終了させ、免責手続きに進みます。免責決定を受けることで借金の支払い義務がなくなります。
自己破産のメリットは、借金が全額免除される点です。どれだけ多額の債務があっても、免責が認められれば返済義務から完全に解放されます。精神的な負担が一気に軽減されるため、新たな生活のスタートを切るきっかけとなります。
デメリットとして、官報に破産者として氏名が掲載されることや、一定の財産が処分対象となる点です。また、一部の職業（弁護士や税理士など）に就けなくなる制限が発生し、破産後は7年程度の間、新たな借り入れが難しくなります。
しかし、日常生活を送る上での制限はほとんどないため、債務が返済不能なほど膨らんでいる場合は検討する価値のある選択肢です。
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まとめ
多重債務は複数の金融機関からの借り入れが重なり、返済が難しくなった状態を指します。その原因は様々ですが、クレジットカードの安易な利用や無計画な借り入れ、ギャンブル依存症などが挙げられます。
借金問題を放置すると、利息が積み重なって債務総額が膨らみ、取り立ての厳しさも増していくため、早期の対応が重要です。
多重債務に陥ると個人での解決は極めて難しいため、早めに専門家に相談しましょう。各地の財務局や財務事務所に設けられた無料相談窓口では、専門の相談員が状況に応じてアドバイスしてくれます。
解決方法としては、任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理が効果的です。状況に応じて最適な方法を選ぶことで、多重債務から抜け出す道が開けます。ライタス綜合事務所では多重債務に関する相談も随時受け付けています。まずは一人で悩まず、専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています（司法書士業務の範囲内に限る）。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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