自己破産しても確定拠出年金は守れる?差し押さえの可否について解説

自己破産しても確定拠出年金は守れる?差し押さえの可否について解説

借金問題で自己破産を検討している方の中には、老後の備えである確定拠出年金がどうなるのか不安を抱える方も多いでしょう。

先に結論を言えば、確定拠出年金は法律で守られた差押禁止財産であり、自己破産をしても手元に残すことができる自由財産に該当します。ただし、一部の例外的なケースでは差し押さえられる可能性もあるため注意が必要です。

借金問題と老後資金の両方で悩んでいる方にとって、確定拠出年金が守られるかどうかは重要な問題です。今回は確定拠出年金と自己破産の関係性について、詳しく解説していきます。

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自己破産すると確定拠出年金はどうなる?

自己破産すると確定拠出年金はどうなる?

自己破産すると、多くの財産は債権者への返済に充てられますが、確定拠出年金については法律によって守られています。老後の生活資金であり、将来の生活を維持するための大切な資産として、確定拠出年金には特別な法的保護が与えられているのです。

破産手続きにおいて、どのような財産が保護され、どのような財産が没収されるのかを理解することは、とても大事なポイントとなります。

確定拠出年金は法律で守られた差し押さえ禁止財産である

確定拠出年金は、将来の生活を守るための重要な財産です。よって、その給付を受ける権利(受給権)を譲り渡すことや担保にすること、差し押さえることはできない、と法律により規定されています。(確定拠出年金法第32条第1項)つまり、法律上で差し押さえが禁止された特別な財産として位置づけられています。

企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの確定拠出年金は、国が定めた年金制度の一部として法的に保護される仕組みです。公的年金を補完する役割を持つ確定拠出年金は、社会保障制度の一部として特別な保護を受けられるのです。

なお、確定拠出年金と似たような制度の中には、同様の保護が受けられない場合もあります。たとえば退職金や小規模企業共済は、受け取り方や時期によっては差し押さえの対象となることがあります。

「他の年金制度も確定拠出年金と同様に守られている」と思い込むのは危険です。制度ごとの違いを正しく理解することが大切です。

自己破産しても確定拠出年金の受給権は没収されない

自己破産をしても確定拠出年金の受給権は差し押さえ禁止財産であるため、将来受け取る権利が没収されることはありません。自己破産をしても確定拠出年金に積み立ててきた資産はそのまま保有し続けることができます。

確定拠出年金は公的年金と同様に、自己破産による影響を受けません。もし確定拠出年金が没収されてしまうと、老後資金の不足につながり、将来の生活に大きな支障をきたすため、法律で特別に保護されています。

確定拠出年金は自己破産後も継続して積立や運用が可能

確定拠出年金は、自己破産後も通常通り積立や運用を継続できます。破産手続きが完了した後でも、将来の老後資金を積み立てていく権利は維持されるのです。

加えて、自己破産によって、確定拠出年金の加入資格が制限されたり、確定拠出年金の加入資格が剥奪されたりすることもありません。

自己破産後も確定拠出年金の運用商品の変更や掛金の拠出を続けることができ、老後の資産形成を継続できます。

自己破産による経済的再スタートを確定拠出年金法第32条においては以下のように規定しています。

【確定拠出年金法第32条】
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分により差し押さえる場合は、この限りでない

たとえ自己破産後であっても、老後の備えを着実に進めていくことができるのです。確定拠出年金の継続は将来への重要な投資と言えるでしょう。

自己破産によって債務の負担から解放された後は、以前よりも余裕を持って掛金を拠出できるようになる可能性もあります。将来への備えとして、積極的に活用していくことが望ましいでしょう。

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自己破産で確定拠出年金が差し押さえられるケース

自己破産で確定拠出年金が差し押さえられるケース

確定拠出年金は原則として差し押さえ禁止財産ですが、いくつかの例外的なケースでは差し押さえの対象となることがあります。

具体的にどのような場合に注意が必要なのか見ていきましょう。これらの例外を知っておくことで、資産保全の対策を講じることができます。自己破産を検討する際には、例外的なケースを理解し、適切な判断をすることがとても重要です。

国税滞納処分の場合は例外的に差し押さえが可能

まず注目すべきは、確定拠出年金法第32条但し書きの「国税滞納処分により差し押さえる場合は、この限りでない」という部分になります。税金の滞納がある場合は、確定拠出年金であっても差し押さえられる可能性があるのです。

税金の滞納がある場合、国税滞納処分として確定拠出年金が差し押さえられる可能性があります。国税は他の債権に優先して回収される仕組みになっているためです。そもそも自己破産をしても、国税が免除されることはありません。

現金化された確定拠出年金が99万円を超える場合

先に述べた通り、自己破産の手続きをした場合、債務者の財産は基本的に処分され、債権者への返済に充てられてしまうのです。ただし、自己破産後の生活のため、処分されず手元に残すことができる財産もあり、これを「自由財産」といいます。

具体的には、新得財産(破産手続き開始の決定後に手に入れた財産)、99万円以下の現金(現金のみであり、預貯金は含みません)、差押禁止財産(確定拠出年金はここに含まれます)、破産管財人が破産財団から放棄した財産、・自由財産の拡張が認められた財産などが該当します。

仮に確定拠出年金を受給して現金化した場合、99万円以下の部分は自由財産として保護され処分される心配はありませんが、99万円を超える部分は自由財産の範囲を超えることから処分対象となる恐れがあるため注意が必要です。受給権自体は保護されますが、現金化された資産については一定の制限があります。

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確定拠出年金を一時金で受け取り預金化した場合は差し押さえ対象となる

確定拠出年金を一時金で受け取り預金口座に入金された場合は、金額によって差し押さえの対象となります。これは、預金口座に入金されると通常の預金と区別がつかなくなるためです。現金の場合と同様、受給権は保護されますが、金融機関に預けた資金の一定額以上は保護の対象外となるのです。

預貯金として保有している場合、20万円以下は自由財産として保護されますが、20万円を超える部分が処分対象となります。債務者の最低限の生活を保障するため保護されている範囲を超える金額は、債権者への返済に充てられることになるのです。

現金として保管している場合は99万円まで、預貯金として保管している場合は20万円までが認められます。保管方法によって保護される金額に違いがあるため、資産の管理方法には注意が必要です。

つまり、確定拠出年金の「受給権」は法律上保護されますが、現金化して一時金として受け取ると、その資産は通常の財産として扱われるということ。一定額を超えると処分対象となる可能性があります。

特に、現金化のタイミングによっては債権者を害する行為と見なされるおそれもあるため、破産申立てとの関係を踏まえて行動することが重要です。

受給権として保有しておくか、現金化するかによって、保護される範囲が大きく変わってくるため、確定拠出年金をどのように保有するかが重要です。

資産保全の観点からは、受給権として保有し続けることが望ましいと言えるでしょう。こうした判断には、専門家からアドバイスを受けることをおすすめします。

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まとめ

まとめ

確定拠出年金は法律で保護された差し押さえ禁止財産であり、自己破産をしても原則として没収されることはありません。自己破産後も加入資格は維持され、引き続き積立や運用を続けることができます。

ただし、国税滞納処分の場合、預貯金化や現金化した結果一定額を超えた場合には、差し押さえの対象となる可能性があります。

自己破産を検討する際は、確定拠出年金は受給権のまま保有することが望ましく、安易に解約や一時金受取りをしないよう注意が必要です。老後の資産形成は人生設計において重要な要素であり、自己破産によって新たなスタートを切る場合でも、将来への備えは継続することはとても大切です。

当事務所では確定拠出年金と自己破産に関する相談も随時受け付けています。不安や疑問点がある場合は、一人で悩まずどうかお気軽に当事務所にご相談ください。債務問題と老後資金の両方を守るための最適な解決策を一緒に考えていきましょう。

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