自己破産を検討している方の中には、「カーリース契約はどうなるの?」と不安を抱える人も少なくないでしょう。返済が難しくなった借金を整理したくても、通勤や送迎に車が必要な方にとって、カーリース契約への影響は重大な問題です。
実は自己破産をすると一定期間は新たにカーリース契約を結ぶことが難しくなります。また、既存のカーリース契約は解約・車の引き上げとなるのが一般的です。ただし、債務整理の種類や家族の協力によっては、継続利用や新規契約の道が残されています。
今回は自己破産とカーリースの関係について、実際のケースも交えながら詳しく解説します。
自己破産とカーリースの関係
自己破産すると借金の返済義務は免除されますが、信用情報に「事故情報」として記録が残ってしまうのをご存知ですか?カーリース契約も信用が関わる契約ですから、自己破産との関係を理解し、適切な対応をとることが大切です。
まずは、自己破産後にカーリース契約を結べるかどうかや、契約中の車への影響など、具体的に解説していきます。
自己破産後のカーリース契約が可能か
自己破産をすると信用情報機関に「事故情報」として記録が残り、カーリース会社の審査通過が難しくなります。リース会社は契約締結時に信用情報をチェックするため、自己破産後すぐの契約は現実的ではありません。
自己破産の履歴は信用情報機関に5〜7年間保存され、その期間中の新規カーリース契約の締結は、極めて困難です。大手リース会社では審査基準が厳格なため、履歴が残っている間の契約はほぼ不可能と考えておくべきでしょう。
しかし、完全に諦める必要はありません。信用情報機関の事故情報は永久に残るわけではなく、保存期間さえ経過すれば抹消されます。この期間を経た後なら、カーリース契約の審査に通る可能性が出てきます。
それまでは代替交通手段の確保や家族名義での契約など、別の選択肢を模索しながら、じっくりと信用回復を待つことも検討しましょう。
カーリース契約中に自己破産するとどうなるか
カーリース契約中に自己破産手続きを始めると、リース会社から車の返却を求められるのが一般的です。カーリースはローン契約と異なり、車の所有権はリース会社にあります。
利用者はリース料を支払うことで車を使用する権利を得ているだけなので、支払いが滞ると利用権も失うことになります。つまり、残りの契約期間のリース料金支払義務は免除されますが、その代わりに車両返却の義務が生じるのです。
車が引き上げられる前に、代替交通手段を確保するなど生活面での準備が不可欠になります。特に通勤や送迎等で日常生活で車が必要な場合は、車を返却しても生活できる体制を整えておくことが重要です。
カーリース契約中に自己破産した場合の注意点
リース車を返却する際は、裁判所報告用に受領証を必ず受け取りましょう。自己破産の手続きでは、財産の処分状況を裁判所に報告する必要があるためです。返却証明がないと手続きに支障をきたす恐れがあります。
仮にリース会社から返却を求められなくても、車を勝手に処分してはいけません。リース契約の内容や車両価値によっては、返却ではなく買取を求められることもあるかもしれません。必ずリース会社と相談のうえで対応すべきです。
連帯保証人がいる場合は、引き続きカーリースを利用できる可能性があります。契約者本人は自己破産によって支払い義務から免れますが、連帯保証人には支払い義務が残ります。保証人が支払いを継続できるのであれば、車の使用継続を交渉する余地があるでしょう。
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自己破産以外の債務整理とカーリースの関係
債務整理には自己破産の他にも、任意整理や個人再生といった方法があります。カーリース契約を維持したい場合は、どの債務整理の方法を選ぶかが重要なポイントとなります。
各債務整理の方法によって、カーリース契約への影響は大きく異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
任意整理後にカーリース契約できるか
任意整理後に新しくカーリース契約を行うことは、難しいと言わざるを得ません。任意整理も他の債務整理と同じく、信用情報に記録が残ります。いわゆるブラックリストに載った状態となりますので、新たにローンやカーリースを組むのが困難になると考えられます。
ただし、現在のカーリース契約を継続することは可能です。現在の任意整理では対象債務を自由に選択できるため、カーリース契約を除外して他の借金だけを整理することができます。
多くの債務者が採用している一般的な手法は、カーリース以外の借金のみを任意整理し、カーリースの支払いだけは継続するというもの。クレジットカードやキャッシング、消費者金融などの債務だけを整理対象とすることで、生活に必要な車は手元に残しながら全体的な返済負担を軽減できます。
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個人再生後にカーリース契約できるか
個人再生後はカーリース契約は基本的に困難です。
その理由は、信用情報に傷がついてしまうためです。個人再生は裁判所を通じた手続きで、全ての債務が対象となるため、カーリース契約にも影響が及びます。よって、個人再生手続き中や手続き完了直後は、新たなカーリース契約を結ぶことは難しいでしょう。
個人再生と自己破産ではカーリース契約維持は困難で、契約解約・車引き上げとなるのが一般的です。とはいえ、個人再生の記録は5〜7年で抹消されるため、その後であれば審査通過の可能性は十分あるのでご安心ください。
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カーリース契約を維持したい場合は任意整理が最適
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があり、選択方法により影響が異なります。カーリース契約への影響を最小限にしたい場合は、任意整理が最も適した選択肢と言えるでしょう。
任意整理は裁判所を通さず柔軟対応が可能ですが、個人再生と自己破産は裁判所を通した手続きになるため、全債務が対象です。任意整理なら債務の選択が可能なため、カーリース契約を除外して整理することができます。カーリース契約への影響を最小限に抑えられる柔軟性が強みです。
ただし、任意整理は自己破産と異なり、返済額の支払いを継続しなくてはいけません。カーリース契約を除外して任意整理を行った結果、無理のない返済額に抑える必要があります。
カーリース契約の継続を優先させるのではなく、債務状況や今後の返済能力を考慮しながら、最適な債務整理の方法を選ぶことが重要です。
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自己破産後にカーリース契約を結ぶ方法
自己破産をした後でも、どうしても車が必要な場合には、いくつかの方法でカーリース契約を結ぶ可能性があります。家族の協力を得る方法や、特定の販売店を利用する方法などを紹介します。
工夫次第で自己破産後でも車を確保する道はありますので、状況に応じた対応を検討してみましょう。
家族名義でカーリース契約
自己破産の信用情報登録は本人のみで家族に影響はなく、家族名義で契約することが可能です。配偶者や親族の信用情報に問題がなければ、家族名義でのカーリース契約は現実的な選択肢となります。
家族に事故情報がなければ基本的に申込みを拒否される理由はなく、家族名義の契約で別の人物が運転することも可能です。契約者と主な使用者が異なっていても、リース会社によっては問題なく契約できる場合が多いです。
自己破産歴があっても家族の審査には影響せず、家族名義での契約に対応しているカーリース会社なら問題なく利用できます。ただし、家族に迷惑をかけないよう、支払い計画はしっかり立てておくことが大切です。
自社審査の販売店でカーリース契約
自社審査を採用しているカーリース会社では、個人信用情報機関への照会を行わないケースがあります。個人信用情報を確認しない場合、自己破産の履歴が審査に影響することはありません。
自社審査では債務整理経験者も安定収入・長い勤続年数などがあれば審査通過の可能性があります。信用情報よりも現在の返済能力を重視する会社もあるため、安定した収入があることをアピールできると、カーリース契約を締結できる可能性が高まります。
審査に通過できない場合は、家族名義か自社審査を実施している店舗の利用が有効です。中古車販売店などで独自の審査基準を設けている業者を探してみることも、一つの方法と言えるでしょう。
信用情報の回復を待ってカーリース契約
自己破産経験者も5〜7年経過し個人信用情報から履歴が消去された後の申込みが望ましいです。信用情報はいずれ回復するため、一定期間待つという選択肢もあります。
一定期間待ってから申込むことで、審査通過の可能性が高まります。この期間中は現金での中古車購入や公共交通機関の利用など、代替手段で乗り切ることも検討してみましょう。
前述したとおり、信用情報は一生残るわけではなく約5〜7年で消えるため、その後の利用を検討するのが良いでしょう。この間に借金を完済し、安定した収入を得ることで、カーリース契約の審査に通りやすくなります。
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まとめ
自己破産とカーリースの関係は、契約のタイミングや債務整理の方法によって大きく異なります。自己破産すると信用情報に傷がつき、カーリース契約は難しくなりますが、任意整理であれば現契約を維持することも可能です。
既存のカーリース契約中に自己破産すると、基本的に車は返却となりますが、家族名義の契約や自社審査の販売店利用など、やり方次第で車を確保する方法はあります。信用情報の回復を待つという選択肢もありますが、生活に車が欠かせない場合は、専門家に相談して最適な方法を見つけることが大切です。
ライタス綜合事務所では、自己破産とカーリース契約に関するご相談も受け付けています。車が必要不可欠な生活を送りながら債務問題を解決する方法を、専門家と一緒に考えてみませんか?まずは一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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