離婚と自己破産は、どちらも人生の大きな転換点となる重要な決断です。
特に、両方を検討している方にとっては、自己破産を先に行うべきか、離婚を先に行うべきか悩ましい問題でしょう。
この記事では、専門家の視点から財産分与や養育費など、様々な要素を考慮しつつ、自己破産と離婚のタイミングについて詳しく解説していきます。
自己破産をするなら、離婚前と後どちらがいいのか
結論から言えば、自己破産と離婚、どちらを先に行うべきかという問題は、個々の状況によって異なります。
しかし、一般的には離婚前に自己破産を行うことをおすすめします。その理由について詳しく見ていきましょう。
離婚前の自己破産がおすすめ
離婚前に自己破産を行うことで、いくつかのメリットが生じます。
まず、財産分与や慰謝料の支払いが財産隠しと疑われるリスクを回避できます。離婚後に自己破産を進めると、裁判所や債権者から財産を隠したのではと疑われる可能性があるのです。
裁判所に離婚自体が偽装であり、財産分与によって財産を守ろうとしたと判断されてしまえば、当然ながら自己破産は認められなくなってしまいます。
また、婚姻期間が長い場合は財産分与を理由に揉めることが多く、年単位の時間がかかってしまうケースもめずらしくはありません。
しかし、自己破産であれば裁判所の手続きに則って行われるため数ヶ月もあれば終了します。借金問題を先に解決してしまえば、債権者からの催促などに悩まされることなく、離婚問題と向き合えるでしょう。
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離婚後に自己破産する場合の注意点
一方、離婚後に自己破産を選択する場合は、いくつかの注意点があります。
まず、養育費については、子どもの健全な成長を妨げる原因になりかねないため、自己破産をしても支払い義務から免れることはできません。また、財産分与については、正確に記録を保存しておく必要があります。
自己破産では、直近の財産の動きをすべて裁判所に報告しなければなりません。不適切な財産分与が認められる場合、破産管財人によって取り消される可能性があるため、財産の動きには細心の注意を払う必要があるのです。
こうした注意点があるため、一般的には自己破産を先に済ませるべきとされています。
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自己破産が配偶者に与える影響
自己破産を考える際、多くの人が配偶者への影響を心配します。
しかし、基本的に自己破産が配偶者に直接的な影響を与えることはありません。ただし、いくつかの例外があるので、注意が必要です。
配偶者への直接的な影響はない
自己破産をしても、配偶者の債務や信用情報には影響しません。
よって、夫婦の一方が自己破産しても、配偶者の財産が差し押さえられたり、信用情報に傷がついたりはしないのでご安心ください。
ただし、配偶者が保証人になっている場合は注意が必要です。なぜなら、保証人は債務者が返済できなくなった場合、代わりに返済しなければならないからです。もし配偶者が保証人になっている債務がある場合、自己破産することで配偶者に請求がいってしまいます。
配偶者が保証人の場合の影響
前述のとおり、配偶者が保証人になっている債務がある場合、自己破産をすると配偶者が代わりに支払う義務が生じます。これは離婚しても変わりません。つまり、離婚後も元配偶者が保証人としての責任を負い続けることになるのです。
このような事態を避けるためには、自己破産前に保証債務を整理することが重要です。可能であれば、保証人の解除や債務の返済を行っておくことをおすすめします。そうすることで、配偶者への影響を最小限に抑えることができるでしょう。
ただし、自己破産で禁止されている偏波弁済(特定の債権者に有利な返済を行うこと)を疑われる危険性があることから、まずは専門家への相談からはじめるのがおすすめです。
自己破産の手続き中は養育費や婚姻費用の支払いは一時停止する
養育費や婚姻費用の「未払い」がある状態で配偶者が自己破産すると、(元)配偶者は債権者となります。そのため、自己破産の手続きが完了するまでの間、未払い分については一時的に支払いが制限されます。
また、自己破産手続き中は給与の差し押さえといった強制執行ができなくなるため、未払い分の清算が一切できません。
そのため、自己破産を考えている場合は、事前に配偶者と話し合い、養育費や婚姻費用の未払い分の清算を済ませておく等、計画を立てておくことが大切です。
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自己破産と離婚の手続きを並行する際の流れ
自己破産と離婚の手続きを進めたいのであれば、適切な順序で進めることが重要です。ここでは、並行する際の流れを4つのステップに分けて解説します。
1. 債務整理の相談
最初に行うべきは、債務整理の専門家への相談です。
債務問題に特化した認定司法書士に相談することで、自己破産と離婚の最適なタイミングを専門家に見極めてもらえるメリットがあります。
なお、相談の際は、債務や夫婦の財産状況を正確に伝えることが大切です。
また、自己破産と離婚に関する希望や不安を明確に伝えましょう。場合によっては複数の専門家に相談し、信頼できるかどうかを重視して選ぶことをおすすめします。
2. 自己破産の申立て
専門家との相談を経て、自己破産を先に進めることになった場合、裁判所への申立てを行います。
裁判所に提出する必要書類の準備や正確な債務状況の確認など、細かな手続きが必要になるため、専門家のサポートを受けながら慎重に進めていきましょう。
3. 離婚協議・調停
自己破産の申立てが完了したら、離婚の協議や調停を進めます。この段階では、財産分与や養育費、慰謝料などについて話し合いを行います。
自己破産を先に行っているのであれば、財産状況が明確になっており、スムーズに進められる可能性が高いです。
4. 離婚成立・自己破産手続きの完了
最後に離婚が成立すれば、両方の手続きが完了します。
債務や婚姻関係から解放され、新たな人生のスタートを果たすことができます。離婚・自己破産後は、これまで以上に財産状況に配慮し、再び借金トラブルに悩まされることがないよう注意を払って生活をしていきましょう。
手順を守るメリット
上記の手順を守ることで、自己破産時の財産分与等のトラブルを回避できます。
自己破産後に財産分与を行うと、不正な財産移転と見なされるリスクがありますが、この手順ならそれを避けられます。
また、離婚後の生活設計が立てやすくなるメリットも。債務状況が明確になった上で離婚協議を行えるため、より現実的な話し合いが可能となるのです。
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まとめ
自己破産と離婚、どちらを先に進めるべきかという問題には、一概に正解はありません。
しかし、多くの場合、離婚前に自己破産を行うことがおすすめです。財産分与や慰謝料に関するトラブルを避けられ、より円滑に問題解決を図れる可能性が高いためです。
ただし、個々の状況によって最適な選択は変わることを忘れてはなりません。自分にとって最適な選択肢を知るためにも、まずは専門家に相談することからはじめましょう。
当事務所のような、債務問題に特化した認定司法書士に相談することで、最適な解決策を見つけることができます。
自己破産と離婚は、人生の大きな転換点です。適切な手順を踏み、専門家のサポートを受けることで、新しい人生への第一歩を踏み出してください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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