自己破産をすると一般的にクレジットカードの類は一切利用できなくなります。
これはクレジットカード会社各社がショッピング枠という債権を有しており、自己破産は基本的に全ての債務を解約することになりますから、クレジットカードについては原則、利用ができなくなるというわけです。
デビットカードはご存知の通り銀行口座と直接紐づけられているため、クレジットカードのように使うことができるものです。
一方でキャッシングやショッピング枠といったものはついておらず、利用した瞬間から銀行口座の残高が即時引き落としになるタイプのカードとなっています。
ここでは自己破産とデビットカードの関係性についてわかりやすく解説するとともに、自己破産の時にデビットカードをどのように扱うかについての注意点も解説していきます。
【結論】自己破産をしてもデビットカードの利用は可能?
まず結論からお伝えしていきます。
この後ご紹介する一部の例外を除き、基本的にデビットカードは自己破産をしても利用することができます。
よって自己破産後、クレジットカードは持てないが社会生活上カード決済が必要な場面においてはデビットカードを利用される、という方も多々おられます。
またデビットカードを利用することによって、最近は発行元の金融機関によってポイントが付与されるケースもあります。
こうしたポイント制度があることは従前クレジットカードの付与ポイントで経済的に利益を得ていた人(※ポイ活をしたり景品をもらうなど)からすればありがたいものでもあります。
よって、この次以降の章をよくお読みいただければと思います。
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自己破産後にデビットカードが利用できなくなるケースまとめ
自己破産をしたことによって、デビットカードが利用できなくなるケースがいくつかあります。
ここでは自己破産後、デビットカードが利用できなくなる主な状況についてまとめてご紹介していきます。
パターン1:デビットカード発行元が債権者だった場合
一番多いパターンがこちらでしょう。
デビットカードの発行元といえば、原則的に銀行口座と紐づけになっていることから日本国内の金融機関であることが想定されます。
こういった銀行などの金融機関に対してローン商品などを契約しており、こちらを自己破産で債務整理した場合、当然のことながら銀行や金融機関が「債権者」という扱いになります。
こういった兼ね合いで、デビットカードの利用ができなくなるケースがあります。
厳密に言えば2つのケースに大別されます。
- デビットカードと紐付けられている銀行口座が自己破産手続きによって凍結されることにより、デビットカードが使えなくなるケース
- デビットカード発行元が定めている契約等によって、自己破産が行われた場合、デビットカードの利用が強制停止されるケース
いずれの場合でも自己破産後、このような利害関係が発行しているデビットカードはほぼ使えなくなると考えてよいでしょう。
パターン2:デビットカードの提携先に債権者が含まれている場合
デビットカードの発行元金融機関そのものには債権債務関係がない一方、デビットカード発行元の金融機関の「提携先」・関連する諸機関諸団体等に債権者が含まれている場合、注意しなければなりません。
具体的に考えられるのは大手メガバンクのデビットカードを保有している中で系列の消費者金融等に対して自己破産手続きを行ったといったケースです。
この場合、系列内で情報が共有されたことによってデビットカードの利用が停止される可能性もゼロではありません。
ただし法的な建付けや一般的に知られている(告知されている)ルールとして、一律してこういった対応がルール化されているわけではありません。
よって様々な事情や状況に応じてケースバイケースで、口座の利用可否が決まっていくといった要素もあります。
なお自己破産をする場合に債権者のみならず、系列各社および提携先企業についても何らかの不利益を被る可能性があることは何も、デビットカードに限ったことではありません。
間接的にデビットカードが利用できなくなるケースもゼロではありませんので、十分にご注意ください。
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パターン3:自己破産後税金等で差し押さえを受けた場合
自己破産をしても基本的には税金等の債務は免責(免除)となりませんので、支払いの義務が残ります。
よって実務上、自己破産手続きを行って免責許可決定が下りたとしても、後刻、税金等の支払いが出来なければ口座の差し押さえ等の処分を受ける可能性があります。
この時、行政側が認知している銀行口座に対して差し押さえの処理を行うことになります。
自己破産後、自由財産等を保管している口座とデビットカードが紐付けられている場合、結果的にデビットカードの紐付け先の口座が凍結されたことによってカードが利用できなくなるケースもあるわけです。
パターン4:デビットカード発行元から口座の強制解約を通知された場合
デビットカード発行元から口座の強制解約を通知された場合についても、当然ながらデビットカードが利用できなくなることになります。
と言ってもこちらは自己破産が直接的な原因になるケースはほぼ考えられません。
パターン5:一定期間不足額の立替分を支払えなかった場合
一定期間、不足額の立替分を支払えなかった場合、自己破産の有無に関わらずデビットカードは一般的に強制解約になり、利用することができなくなってしまいます。
これはほぼすべてのデビットカード発行元が利用規約に定めているものであり、一度強制解約になると二度とその発行元ではデビットカードが作れなくなる可能性が高いため、ご注意頂きたいところです。
ところで、不足額の立替はデビットカードの性格上、本来は起こらないものです。それではなぜデビットカードにおいて不足額の立替が発生するのかについて簡単に確認していきましょう。
デビットカードは原則として、カード決済システムやカード決済端末からは一括払い専用のクレジットカードという風に認識されることになります。
つまりデビットカードが端末を通ったりカード番号が入力された段階においては、通常のクレジットカードと同じような請求処理が走ることになるわけです。
この時注意したいのが何らかの月額利用代金であったり、あるいはガソリンスタンドでの利用などです。
これらはカードを通した段階ではまだ確定で金額が出るわけではなく、後日になってから請求金額が確定し、カード発行元に対して請求がかかるといった流れとなります。
こういった場合、デビットカードの残高以上にカードが利用できてしまうため、不足額の立替が発生するケースがあります。
最近はデビットカードの発行元各社でも自主的な規制を行うなどによって、こうしたことができないようになりつつあります。
しかし一部のデビットカード発行元金融機関等によってはガソリンスタンドでの利用や月額利用代金の決済に対応しているケースもあるなど、対応が一元化されていないという状況でもあります。
例えば、ガソリンスタンドでの利用分・携帯電話代金などが自己破産の手続きを行ったのと同じようなタイミングで決済され、立て替え払いが発生し、不足分の入金ができないというケースも考えられます。
このような状況に陥ってしまった場合、利用規約に基づきデビットカードが強制解約されるというわけです。
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自己破産を行う際のデビットカードにおける注意点まとめ
最後に自己破産を行う際に、デビットカード関連で注意しておくべきポイントについてまとめてご紹介していきます。
自己破産後にデビットカードを作る場合は債権債務関係のない会社で作成を
自己破産手続きにおいて免責してもらった会社の系列デビットカードは社内ブラックなどの事情によって審査に通過できない可能性が極めて高いことから、避けておいたほうが無難です。
自己破産後にデビットカードを作る場合は債権債務関係のない会社で発行しましょう。
自己破産後のデビットカード使いすぎに注意
自己破産前にはクレジットカードを利用しており、自己破産後に初めてデビットカードを利用し始めるというケースも少なくありません。
デビットカードの性質を理解しておらず、ついつい使いすぎてしまうケースがあります。
自己破産をしてせっかく身軽になっているのですから、こうしたところで再び多重債務状態に陥らないよう十分にご注意ください。
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まとめ
今回は自己破産とデビットカードの利用に関してスポットライトを当てて詳しく解説してきました。
結論から言えば、自己破産をしてもデビットカードの利用や発行自体は問題なく可能です。
自己破産後デビットカードの利用・発行を制限するような決まりはありませんのでご安心下さい。
ただし、免責を受けた債権者の発行しているデビットカードであったり、その他系列各社のデビットカードについては発行を新規に受けることができなかったり、状況によっては口座の凍結によって利用できなくなる可能性もあります。
このように、自己破産に関連して様々な知っておくべきことがあります。
当事務所では自己破産後の生活の在り方についても債務者の方からのご相談に応じて助言や指導を行うことが可能です。
その他こういった細かなご質問についても丁寧にお答えし、より最適な方法で借金問題を解決するお手伝いが当事務所なら可能です。
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