昨今、経済状況が悪化した関係で資金繰りにお困りの方が「クレジットカードの現金化」を行うことがあります。
ご自身のご判断で行うケースもあれば、他者からそうするように持ちかけられて行なってしまうというケースもあります。
その他最近増えてきている事例ではママ友やパパ友の間でこういった方法が生活の裏ワザとして出回っているというケースもあります。
他方、現在のところ法律でクレジットカードの現金化は規制されておらず、基本的にクレジットカードの現金化はただちに犯罪行為にあたるわけではありません。
それではなぜクレジットカードの現金化が「いけないことである」と言われるのでしょう。
ここでは、クレジットカード現金化とは何か?について簡単に解説するとともに、クレジットカード現金化の違法性や、一度利用してしまうと多重債務状態に陥る可能性が極めて高いことなどを中心に解説していきます。
【基礎】クレジットカード現金化とは?
クレジットカード現金化の概略について解説します。
これにより本来は買い物やクレジットカード決済でしか利用できないはずのショッピング枠を現金化することができる、というわけです。
この方法自体は、平成の頃から存在した方法です。
例えば新幹線のチケットを購入して、その場で近くの金券ショップに持ち込み現金化をするといった方法も行為としてはクレジットカード現金化にあたります。
最近はクレジットカードのショッピング枠を現金化しなければ生活が回らないという方も多く、このような方法に手を出してしまう方が急増しているといった状況にあります。
クレジットカード現金化の仕組み
クレジットカードの現金化は現在のところ、実勢的に2つのタイプがあります。
それぞれ解説していきます。
買取式
こちらは文字通りクレジットカード決済を利用して換金性のある商品を購入し、これを即時またタイミングを見て転売することによって現金を得るといった方法です。
詳しいことは次の章で解説しますが、自助努力によって行うこともでき、なおかつ業者に依頼をすることもできる方法です。
キャッシュバック式
こちらについては違法性が指摘されるケースも過去何度かあり、現在は買取式の方が主流な方法ではあるものの、一部キャッシュバック式を提供している業者の存在も見られるため解説しておきます。
キャッシュバック式は基本的に換金性のない、または無価値な商品を一定の金額で業者が販売します。こちらについては業者が介在しなければ、手続きを行うことができません。
こういった商品に5万円・10万円など価値をつけて業者が販売し、これをクレジットカードによって購入することになるわけです。
この時購入した商品そのものには額面ほどの価値はないので、換金性はありません。換金できたとしても、例えば10万円で購入した商品が、せいぜい数百~数千円で現金化できる程度のものでしょう。
そこで、業者から購入するとキャッシュバックとして別途お金が受け取れる仕組みになっているのがキャッシュバック式と呼ばれる方法です。
闇金の新しい形態として、後払い現金化というサービスがあるのをご存知でしょうか。 ”後払い”といえば、大手通販サイトなどで商品決済時に後払いを選択すると、後日請求書が自宅に届き、コンビニなどでその代金と手数料を支払うという後払いサービス[…]
クレジットカード現金化の手数料
クレジットカード現金化の手数料について解説します。
基本的にはクレジットカードで購入した商品の金額とキャッシュバックに成功した金額の差額が実質的な手数料となり、 最近のクレジットカード現金化業者は1.5%~数%程度の手数料で営業しているケースが目立ちます。
なお支払先についてはクレジットカード会社各社ということになりますので、利息・金利のようなものがついていたとしても、それ自体は適法なものということになります。
その他、自力でクレジットカードを現金化する場合にはこれよりも高額な手数料がかかるケースがほとんどです。
例えば6,000円で換金性の高いゲームソフトをクレジットカード購入した場合、実際にリサイクルショップ等へ転売したときの買取金額が3,000円になる、といったケースも往々にしてあるでしょう。
この場合、実質的な手数料は50%という極めて高い数字になってしまいます。
\LINEで気軽に相談可能!/
クレジットカード現金化の流れ
ここでは注意喚起の観点より、クレジットカードで現金化をする方法について具体的なステップに分けて解説します。
※なおクレジットカードの現金化は決して推奨される方法ではないため、具体的な方法の表記は差し控えます。予めご了承ください。
自力で行う場合
一般的に自助努力によってクレジットカードのショッピング枠を現金化する場合にはまず、手元のクレジットカードで換金性のある商品を購入し、それを業者やリサイクルショップなど任意の所へ売却することになります。
大原則として購入時の費用と売却時の費用に大きな差額が出ます。
業者に依頼する場合
業者に依頼する場合は先にご紹介した買取式またはキャッシュバック式の業者に申し込みを行い、業者の指示通りにクレジットカード決済等をおこない現金化を行うことになります。
\LINEで気軽に相談可能!/
(業者側が主張する)クレジットカード現金化のメリット
クレジットカード現金化にはいくつかのメリットがあるとクレジットカード現金化業者は主張します。
ここではそういったものから抜粋し、業者側が主張するクレジットカード現金化のメリットについて解説していきます。
ショッピング枠が現金になる
通常はショッピングでしか利用できないショッピング枠が、現金として使えるようになることは、ほぼ全てのクレジットカード現金化業者が訴求するポイントです。
結果的に多重債務の状態に陥り、クレジットカード会社への返済ができなくなるなど様々なトラブルを引き起こす可能性が高いと言えるでしょう。
追加審査が不要
クレジットカードにはキャッシング枠というものがついているケースがあり、こちらを利用することでカードローンのようにお金を借りることができるケースもあります。
しかしクレジットカードのキャッシング枠については利用の際に別途審査が必要になるケースもあり、クレジットカード現金化業者がこうしたキャッシング枠の審査を行うくらいならショッピング枠を現金化した方が良いのではないかと持ちかけてくるケースもあります。
比較的簡単に金策が可能
支払い等の期限が迫っていて時間もなく、また金策のための知識もあまり潤沢にお持ちでない場合、知り合いから教えてもらうといった方法でクレジットカード現金化の選択肢をとってしまうケースもあります。
この場合、比較的簡単に金策が可能になることからつい手を出してしまう方が多く、連用してしまう方も多くおられます。
\LINEで気軽に相談可能!/
クレジットカード現金化のデメリット
ここではクレジットカード現金化のデメリットとして考えられるもののうち、特に大きなものを中心に解説していきます。
ここで解説する以外にも大小さまざまなデメリットがあるため、大前提としてクレジットカード現金化は利用すべきものではないということをお伝えしておきます。
強制解約の恐れがある
クレジットカード会社各社は、クレジットカードの現金化について大変厳しい姿勢をとっています。
またクレジットカード現金化を行うと結果的にショッピング枠が圧迫され、カードの利用残高が増えていきます。
例えば普段あまり使用していないクレジットカードであれば、月の利用代金が1万円であるとか2万円程度というケースもあるでしょう。
ショッピング枠も50万円・100万円単位と残っているのが通常運用であるところに、クレジットカードの現金化を行うと、いきなり10万円~50万円など、高額な利用残高がいきなり積み重なっていきます。
ちなみにクレジットカード会社各社では、どういった店舗でどういった商品を購入しているかなど顧客の情勢を常にモニタリングしているケースが多く、換金性のある商品をある時期から購入し始めると「現金化を行っている可能性がある」とマークされることがあります。
場合によっては換金性の高いオンラインギフト券などについても、連続して決済を行おうとすると、時間帯を問わずクレジットカードのモニタリングセンターから確認の電話がかかってきたり、決済が保留されるケースもあります。
その他、クレジットカード会社側で明らかに現金化行為を行っていると判断した場合は、決済そのものをカード会社側が拒否するケースもあります。
多重債務になる恐れがある
クレジットカードの現金化は非常に簡単かつスピーディーに現金が手に入る方法です。
このことによって金策に困った時は「ひとまずクレジットカードを現金化すれば良い」と考えてしまう方が一定数いらっしゃいます。現金化のためだけに、クレジットカードを申し込んでしまうような方もいらっしゃいます。
これは多重債務状態にある方によく見られる行動・行為であり、ここまで状況が悪化してしまうと、ほぼ自助努力による債務状況の解消は不可能と言わざるを得ません。
返済ができない可能性が高い
そもそも返済不可になる可能性が極めて高いと言えるでしょう。
というのもクレジットカードのショッピング枠は現金化として使用すると一度に返済しなければならない金額が大きくなります。
例えリボ払いを設定していたとしてもリボ払いで換算できる決済金額を超え、残りを一括で支払わなければならないケースも出てきます。
新規カードの申込みが通らない可能性が高くなる
クレジットカードの現金化によって返済が滞ったり、すでに利用している枠が大きくなればなるほど、途上与信や新規の与信が厳しくなっていくことが予想されます。
結果的に、新たにクレジットカードを申し込んだとしても審査に否決されるなどして新規カードが入手できなくなる可能性が高いと言えるでしょう。
【コラム】カード現金化、刑事責任を追求される可能性は?
現在のところクレジットカードの現金化を利用した、いわゆる利用者の方については特段刑事責任を追及されたり、逮捕されたといった情報はありません。
そしてこういった事態に陥ると、クレジットカード会社にも当然情報照会が入ると考えるのが妥当です。結果的にクレジットカード会社から責任を追及される可能性もゼロではありません。
また、先述の通り強制解約や一括返済を求められる可能性は極めて高いと言わざるを得ません。
\LINEで気軽に相談可能!/
クレジットカードに代わる金策の選択肢はある?
残念ながら、現状としてクレジットカード現金化を行わなくてはならないような状況の場合、他の金策で資金繰りを改善できる見通しはほぼ無いと言わざるを得ません。
では、クレジットカードの現金化を行わなくてはならないほど支払いに追われている場合、どのような選択肢があるでしょう。
任意整理という方法があります。
具体的には当事務所の司法書士のように債務整理や、任意整理に明るい司法書士にご相談を頂き、委任契約の締結を行うことで進めるのが一般的です。
なお委任契約が締結されると最短即日で、任意整理をご希望される債権者へ向けて司法書士が受任通知を発送します。
これが到着した段階で各業者は、本人宛の連絡や督促行為を全てストップすることになります。
その上で和解のための交渉期間(通常は数ヶ月程度です)を経て、和解が締結されればそこから改めて組み直した金額で月々の返済を開始していくことになります。
具体的には約3年から5年かけて返済していくような形での調整が可能となっていることから、督促を停止し、返済期間(金額)さえ調整できれば返済していけるという方に特に推奨したい方法となります。
\LINEで気軽に相談可能!/
まとめ
このようにクレジットカードの現金化は犯罪行為ではありませんが、カード会社各社によって規約違反として禁止されている行為であり、また、違反すると強制解約や一括返済を求められるなどリスクのある行為です。
クレジットカード現金化で金策や資金繰りをお考えの方は、このあたりで一度「支払いや取り立ての方を停止する」選択肢にも目を向けてみましょう。
当事務所では、任意整理についても借金問題に明るいベテラン司法書士へご相談いただけます。詳細は下記ボタンよりご確認ください。
借金返済にお困りなら今すぐご相談ください
当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。