突然「エー・シー・エス債権回収」からハガキや電話が届いて、困惑している人は少なくありません。
しかし、督促を放置すると、状況が悪化する恐れがあります。どんな会社なのか、なぜ連絡が来たのか、無視するとどうなるのかを知ることが問題解決の第一歩です。
今回は、督促を受けた際に無視することで起きる問題と、督促状の適切な対処法について解説します。
エー・シー・エス債権回収株式会社とは?
督促状が届いた場合、どんな会社からの連絡であるかを理解しておく必要があります。知識を身につけて冷静に対処することが、問題解決につながるでしょう。
エー・シー・エス債権回収株式会社の概要
エー・シー・エス債権回収株式会社は、法務大臣が認定したサービサー(債権管理回収業者)としてクレジット債権の管理回収を行っている会社です。イオンフィナンシャルサービス株式会社の子会社でもあります。
サービサーとは、借金などのお金の取り立てを専門に行う会社のことです。一般の取立業者とは異なり、法務大臣の許可を得ていることが特徴です。
弁護士以外では、許可を得たサービサーだけが「債権回収業」を営むことができるため、法律に基づいた認可を受けているという点で信頼性があると言えるでしょう。
エー・シー・エス債権回収株式会社が取り扱う債権
エー・シー・エス債権回収株式会社では、イオン銀行やイオンフィナンシャルなどイオングループの金融債権を多く取り扱っています。
取り扱う債権の種類は幅広く、住宅ローンなどの不動産担保付債権から、クレジットカードの利用代金、消費者金融からの借入金、公共料金の滞納分まで多岐にわたっています。
金額の大小を問わず、あらゆる債権を扱う総合的な債権回収会社と言えるでしょう。
エー・シー・エス債権回収株式会社から督促が来る理由
エー・シー・エス債権回収株式会社から連絡が来るのは、元の債権者から債権の譲渡を受け、回収業務の委託を受けているためです。クレジットカードやローンの支払いを滞納していると、最初は元の契約会社から督促が来ますが、長期間支払いがない場合は債権回収会社に債権が移されることがあります。
督促の第一段階としては、書面での通知から始まります。ハガキや電話での通知は、滞納している事実を知らせるとともに、支払い方法や相談窓口を案内する目的もあるのです。
突然見知らぬ会社から連絡が来たからといって、詐欺や間違いと決めつけるのではなく、まずは内容を確認することからはじめてみましょう。
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エー・シー・エス債権回収株式会社から督促を無視するリスク
「無視していれば何とかなる」と考えてしまう人は多いですが、督促を放置すると様々な問題が発生します。
債権回収は法的な手続きに基づいて進められるため、放置することでかえって状況が悪化する可能性があります。問題から目を背けるのではなく、直視して適切に対処することが大切です。
遅延損害金や一括請求されるリスク
督促を無視し続けると、遅延損害金などが加算されて返済すべき額が増加します。
数年間放置すると、初めに借りた金額と同じくらいの遅延損害金が発生する可能性もあるのです。督促状を放置するということは、自分の首を絞める行為といっても過言ではないでしょう。
支払督促や訴訟提起のリスク
督促を無視し続けると、次は簡易裁判所から「支払督促」が送付されることがあります。支払督促は裁判所を通じた法的手続きなので、この段階になると個人の交渉だけでは解決できないケースも増えてしまいます。
また、支払督促に対して期間内に異議申立てをしないと、次は仮執行宣言付支払督促を申し立てられるおそれもあるのです。この手続きが取られると、債権者は強制執行によって財産の差押えができるようになってしまいます。
債権額が大きい場合や、支払督促に異議を申し立てた場合でも、通常の民事訴訟へと移行するだけです。民事訴訟も同じように無視していると、いずれは債権者側の主張通りの判決が下され、強制執行をされることになります。
強制執行による財産の差押えリスク
仮執行宣言付支払督促や、民事訴訟にて判決が確定すると、債権者は強制執行により債務者の財産を差し押さえることができます。具体的には、給料や預貯金、不動産などが差押えの対象となるため、日常生活に多大な悪影響が出てしまうでしょう。
なお、差押えは突然行われるわけではなく、一定の手続きを経た上で行われます。しかし、判決が確定した後は債務者の同意なく行われるのが現実です。こうした事態に発展させないためにも、事前交渉をするなどして解決策を見出すことが望ましいです。
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エー・シー・エス債権回収株式会社からの督促への対処法
督促を受けても、適切に対処すれば問題を最小限に抑えられる可能性があります。焦らず冷静に判断し、必要に応じて専門家の助けを借りながら解決を目指しましょう。
連絡内容の確認と債務状況の把握
まず、督促状や電話連絡の差出人と請求金額、元債権の取引先を調べしましょう。連絡内容に心当たりがない場合は、債権の詳細を知る必要があります。契約内容や取引履歴の開示を求め、請求の根拠を知ることが大切です。
請求内容に全く心当たりがない場合は、架空請求の可能性も考えられます。詐欺の被害を避けるためには、督促状の連絡先に電話するのではなく公式サイトで問い合わせ窓口を調べて問い合わせることをおすすめします。
そして、自分がどの会社からどれくらいお金を借りているかを正確に知るには、取引履歴や契約書のほか、個人信用情報機関に「開示請求」するのも良い方法です。自分の状況をしっかりと理解することが、問題を解決するためには必要です。
時効の援用や債務整理手続きの検討
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債務整理は、各手続き特有のメリット・デメリットがあります。
任意整理は比較的手続きが簡単で財産を失う可能性が低い反面、債権者との合意が必要です。個人再生は住宅を残しつつ債務を減額できますが、手続きがやや複雑です。
自己破産は債務を免責できますが、一定の財産が処分される可能性があります。自分の状況に合った方法を選ぶためにも、借金問題のプロである司法書士に相談しましょう。
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司法書士への相談で間違いのない対処を
法的手続きが進んでいる段階では、司法書士に早めに相談することをおすすめします。
司法書士に依頼すると「受任通知」が債権者に送付され、債権回収会社からの直接の連絡が一時的に停止します。受任通知により、債権者との交渉や状況調査のための時間的猶予が生まれるので、落ち着いて問題に向き合えるようになるでしょう。
なお、専門家に相談する際は、督促状や請求書、過去の取引履歴など関連する書類を揃えておくと、より具体的なアドバイスを受けられます。初回相談は無料で行っている事務所も多いため、気軽に相談してみることをおすすめします。
問題を抱え込まず、早めに司法書士の力を借りることで、解決への道筋もおのずと見えてくるでしょう。
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まとめ
エー・シー・エス債権回収株式会社からの督促は、法的根拠に基づいた正規の債権回収活動です。無視し続けると遅延損害金の増加、支払督促や訴訟提起、最終的には財産の差押えといった事態に発展する恐れがあります。
しっかりと督促内容を調べたら、必要に応じて時効の援用や債務整理を考えると良いでしょう。特に状況が複雑な場合は、早めに専門家へ相談することで問題解決の道が開けます。
当事務所ではエー・シー・エス債権回収株式会社からの督促に関する相談も随時受け付けています。一人で悩まず、まずはお気軽に当事務所にご相談ください。問題解決に向けた的確なアドバイスをさせていただきます。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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