自己破産や個人再生を行った後は、官報に名前が記載されます。そのため、何らかの不利益を被るのではないかと不安になる方も見られます。
この記事では、官報の概要や掲載される内容、閲覧する人などについて詳しく解説します。官報で気がかりな点がある方は、ぜひご覧ください。
官報とは何か?
官報とは、日本政府が発行する公式の機関紙です。1883年(明治16年)に創刊され、現在は内閣府が発行しています。
官報の役割や発行頻度、掲載される情報について具体的に説明します。
官報の定義と役割
官報とは、日本政府が発行する公式の機関紙であり、国の法律や政令、行政機関の決定など、国民の権利義務に関する重要な情報を広く伝達しています。
1883年の創刊時点では太政官文書局が発行していましたが、現在では内閣府が発行しています。この公式機関紙の発行を通じて、国家の透明性を維持するとともに法令遵守を促しています。
官報に掲載される情報は非常に重要であり、法的効力が付与されるケースも少なくありません。破産手続や債権者会議の開催など個別の裁判所決定も官報に掲載されるため、企業や個人にとって重要な情報源となっています。
官報の発行頻度と形式
官報は行政機関の休日と年末年始には発行されませんが、それ以外は毎日発行されており、常に最新の情報が掲載されています。
また現代では、紙媒体とインターネット版の2種類の形式で提供されています。
官報に掲載される情報の種類
官報に掲載されている情報には、具体的に国家試験の結果や公示、相続放棄の公告、法人の解散・清算などの情報も含まれています。自己破産や個人再生に関する情報もあり、自己破産では氏名や住所、破産手続開始決定日、免責許可決定日、裁判所名などが掲載されます。
また企業にとって、官報に掲載される情報は役立ちます。例えば、取引先企業の破産手続が開始された場合にはその内容が官報に掲載されますので、その情報を迅速に把握できます。
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官報に載る情報とは?
官報に載る情報には、自己破産や個人再生に関する内容が含まれていますが、具体的な内容や掲載されるタイミングについて解説します。
自己破産の場合の掲載内容
自己破産の手続を開始すると、最初に「破産手続開始決定」の情報が記載されます。次に破産手続が進行して裁判所が免責を許可する場合には、「免責許可決定」の情報が掲載されます。
この時点で「免責許可決定日」を含む情報が記載され、破産者が借金から解放されることが正式に認められるのです。
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個人再生の場合の掲載内容
個人再生の場合も、官報に詳細な情報が掲載されます。具体的には氏名や住所、再生手続開始決定日、再生計画認可決定日などが官報に掲載されます。最終的に再生計画が裁判所によって認可されると、「再生計画認可決定」の情報が官報に掲載されます。
このように個人再生手続も自己破産と同様に官報を通じて情報が公開され、手続の透明性と公正性が確保されているのです。
掲載されるタイミング
自己破産の場合には、官報に2回掲載されます。1回目は「破産手続開始決定」のタイミングであり、2回目は「免責許可決定」です。
一方、個人再生の場合は再生手続開始決定時、書面決議時、再生計画認可決定時の合計3回官報に掲載されます。まず再生手続開始決定が行われると、その情報が官報に掲載されます。
次に書面決議が行われた場合にはその結果も官報に掲載され、最終的に再生計画が裁判所によって認可されると、その情報も掲載されるのです。
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官報は誰が見るのか?
官報はその専門性から、利用する方は限られています。そこで、官報の利用者について解説します。
官報の主な利用者
一般人が官報を定期的に閲覧する機会はほとんどありません。なぜなら、官報の内容は専門的な情報を中心としており、一般的な生活にはあまり関連がないからです。
しかし、法律や行政に関する情報が掲載されていますので、法律や行政に関わる職業に就いている人や特定の情報を探し求める人は官報を閲覧するケースが多いです。
官報を閲覧する業種
官報を閲覧する業種は、主に金融機関や貸金業者、不動産業者が挙げられます。特に金融機関や貸金業者は、新規の融資審査や既存顧客の信用状況を確認するために官報をチェックしています。
また法律事務所や司法書士事務所などの法律関係者も破産手続や債務整理の依頼を受けた際に、依頼者の情報が官報に正確に掲載されているかどうかを確認するために官報を利用することがあります。
官報の閲覧方法や価格
官報を閲覧する方法には、紙媒体またはインターネットの2つの方法があります。紙媒体の官報は、官報販売所や取次所で購入するか郵送してもらいます。
官報販売所では価格は当日にならないと分かりませんが、定期購読する場合には1ヶ月1641円+送料で利用できます。
しかし、現代では利便性からインターネットを利用するケースが多いです。インターネットの場合には、国立印刷局のホームページから閲覧できます。過去90日分までは無料で閲覧できます。
それより過去の情報を探したい場合には有料プランを利用する必要がある点に注意しましょう。特定の個人や企業に関する情報を探す場合には、さかのぼって検索する必要がありますので、有料プランを利用するケースが多いです。
官報情報の悪用リスク
官報に掲載された情報には、悪用されるリスクがあります。具体的には、闇金業者が自己破産者や個人再生手続を行った人たちに対して高金利の融資を持ちかけるケースが多いです。
官報に掲載された名前や住所などの個人情報を利用して、債務者に接触して高額な金利の融資をすすめてきます。
自己破産などで経済的に困窮している方はつい話に乗ってしまいがちですが、多重債務に陥った人が高金利の借金をさらに抱えてしまうと、より窮地に陥ってしまうでしょう。
悪用リスクを防ぐための対策
官報に掲載される情報が悪用される事態を防ぐためには、専門家に相談することをおすすめします。弁護士や司法書士に相談すれば、相手に合わせた適切な対応を講じてくれるでしょう。
また詐欺の場合には、警察に通報する手段も有効です。通話記録を録音したり詐欺行為を録画しておけば役立ちますので、事前に収集しておくといいでしょう。
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よくある質問と回答
官報に掲載された情報に関するよくある質問と回答をまとめましたので、疑問点がある方はぜひご覧ください。
官報に掲載された情報は削除できるのか?
結論から申し上げますと、官報に掲載された情報の削除を求めることや事前に掲載を拒否することはできません。なぜなら、官報は日本政府の公式の機関紙であり、その情報は国民全体に公開されることを前提としているからです。
そのため、法律や政令の公布、裁判所の公告など公的な情報の改変や削除は許されないのです。
官報に掲載されることで生活に影響はあるのか?
官報に掲載された情報によって、生活に影響を与えられるケースは少ないです。その理由として、ほとんどの人が官報を閲覧せず、日常生活で意識することもないことが挙げられます。
しかし、金融機関などに勤める方や法律関係の職業の方は、官報の情報が影響を与えるケースが考えられますので、気をつけておきましょう。
官報に掲載される期間はどれくらい?
主流となっているインターネットの官報では、直近90日分が無料で閲覧できるようになっています。しかし、有料プランでは過去の情報も検索できますので、実質恒久的に掲載されているといえます。
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まとめ
官報は日本政府が発行する公式な機関紙であり、自己破産や個人再生の情報も掲載されます。一般人は日常的に官報をチェックすることは少ないですが、金融機関や法律関係の仕事などに就いている方は信用情報を確認するために利用するケースがあります。
また官報に掲載された情報を悪用する業者の存在には、注意が必要です。借金問題は自力で解決できるケースもありますが、闇金や違法金融からの取り立ては非常に厄介なので、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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