自己破産をすると、「パスポートが取得できなくなるのでは?」「海外旅行に行けなくなるのでは?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、自己破産をしてもパスポートの取得や海外旅行自体は可能です。ただし、資金面や渡航先によっては注意が必要なポイントもあります。
本記事では、自己破産後のパスポート取得や海外旅行の可否、注意点について詳しく解説します。
自己破産してもパスポートは取得できる?
自己破産を経験された方の中には、パスポートを持てないのでは?といった疑問を抱える方も少なくありません。しかし、実際はそのような心配は不要です。ここでは、自己破産とパスポート取得について詳しく解説します。
自己破産者でもパスポートの取得は可能
自己破産をしていても、旅券法ではパスポートを発行できない理由には当てはまらないので、申請するときに問題になることはありません。
現在所持しているパスポートが無効になることもなく、期限を迎えた際の更新手続きも通常通り行えます。ごくまれに外務省が独自の判断でパスポートの発行を止めることもありますが、自己破産を理由にそうした判断がされることはほとんどありません。
自己破産者がパスポートを没収されることはない
自己破産をしても、パスポートが没収されることはありません。
パスポートは海外へ行くための大切な身分証明書で、借金問題とは別ものだからです。入国管理局もパスポートに自己破産の記録を載せることはないので、海外への出入りに影響はありません。
破産管財人が付く場合でも、パスポート自体が取り上げられることはありません。ただし、財産を守るため、破産手続きが始まってから免責が認められるまでの間は、裁判所の許可なく海外に行くことが一時的に制限されることがあります。
自己破産後のパスポート申請方法
自己破産後であっても、パスポートの申請手続きは通常と変わりません。
住民票や戸籍謄本といった一般的な必要書類を用意し、所定の手順に従って申請を行います。免責許可決定を受けた後であれば、審査もスムーズに進むことがほとんどです。
過去の破産歴を申告する必要もなく、一般の申請者と全く同じ扱いを受けられます。書類に不備がなければ、申請から受取までの期間は通常1週間程度です。
急を要する場合は、数日で発行される緊急発給制度を利用することもできます。ただし、緊急発給には追加手数料が必要で、急いでいる理由を証明する書類が必要です。
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自己破産と海外旅行の関係
パスポートが取得できることは分かりましたが、実際に海外旅行に行くことはできるのでしょうか。時期によって異なる制限事項を確認していきましょう。
自己破産手続き前の海外旅行
法律上、破産手続き開始前の海外旅行に制限はありません。ただし、高額な旅行費用が浪費と判断されると、免責不許可事由になる可能性があるため注意が必要です。
例えば、200万円以上する豪華クルーズ旅行に行った直後に破産申立てをすると、裁判所から浪費行為と判断される可能性が高まります。一方、親族の冠婚葬祭や仕事上必要な出張など、社会通念上必要な渡航であれば問題視されることはありません。
破産手続き開始前の段階で、すでに海外旅行の予約や渡航券の購入をしている場合は、必ず弁護士に相談してください。状況によっては予約のキャンセルや延期を検討する必要があるかもしれません。
自己破産手続き中の海外旅行
同時廃止事件では特に制限なく海外に行けますが、管財事件では裁判所の許可が必要です。
管財事件では破産管財人との連絡維持が求められるため、裁判所が渡航理由を慎重に審査します。許可なく海外へ行った場合、申し立ての棄却といったペナルティを受ける可能性もあります。
渡航許可を得るには、具体的な理由や滞在期間、連絡先、帰国予定日などを明確にしなければなりません。海外在住の親族の慶弔時や、仕事で必要な出張など、合理的な理由があれば許可される可能性は十分あります。
海外渡航中も破産管財人と確実に連絡が取れるよう、メールアドレスや現地の連絡先を教えておくと裁判所からの信頼につながるでしょう。
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自己破産手続き後の海外旅行
免責許可決定を受けた後は、法律上の制限が一切なくなり、自由に海外旅行を楽しむことができます。海外旅行保険への加入も問題なく可能です。不測の事態に備えて積極的に加入を検討しましょう。
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自己破産後に海外旅行に行く場合の注意点
海外旅行が可能とはいえ、いくつかの実務的な制約があります。事前に対策を講じることで、快適な旅行を実現しましょう。
クレジットカードが使えない
自己破産により信用情報機関に事故情報が登録されるため、新しいクレジットカードは作れません。既存のカードも解約されるので、別の支払い方法を用意する必要があります。
家族カードを持っている場合、名義人の同意があれば使える可能性もありますが、家族に影響が及ばないよう慎重に判断しましょう。
海外のホテルでは、チェックイン時にクレジットカードの提示を求められることが多いですが、これは保証金として一時的に金額を押さえるためです。
レンタカーの利用も同様に注意が必要です。現金でデポジットを支払えるか、デビットカードが使えるか、事前に利用条件を確認し、必要な準備を整えましょう。
クレジットカード以外の代替手段
プリペイドカードやデビットカードは、信用審査が不要のため利用できます。事前にチャージした金額内で支払いができ、予算管理もしやすいのが特徴です。
VisaやMasterCardのブランドがついたプリペイドカードがおすすめです。世界中のATMで現地通貨を引き出せるほか、お店でのカード決済にも使えます。
デビットカードは銀行口座と連動していて、口座残高内で使えます。引き落としが即時に行われるため、使いすぎる心配もありません。
ホテルなどでデポジットが必要な場合は、口座に十分なお金を入れておきましょう。長期滞在の場合は、複数の支払い方法を用意しておくと安心です。
渡航先での注意点
渡航先によって支払い環境は大きく異なります。クレジットカードが一般的な国もあれば、現金主義の地域もあるので、事前に調べておきましょう。
自己破産を経験した方は経済的に余裕が限られていることが多いので、予算内で無理のない旅行計画を立てることが大切です。緊急時には在外公館への相談や旅行保険の活用など、利用できる公的サポートを積極的に検討してください。
海外での医療費は高額で即時支払いが求められることが多いため、十分な補償内容の海外旅行保険への加入が重要です。長期滞在予定なら、現地銀行口座の開設も検討しましょう。パスポートと滞在許可証があれば開設でき、引き出しや送金手数料の節約にも役立ちます。
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まとめ
自己破産をしてもパスポートの取得や保持が制限されることはありません。法律で保障された移動の自由は、債務整理後も変わらず維持されます。
不安や疑問がある方は、専門家への相談がおすすめです。当事務所は、司法書士業務の範囲内で債務整理全般に対応しています。自己破産や海外渡航について、専門家による適切なアドバイスで不安や疑問を解消しましょう。まずは、お気軽にご相談ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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