買い物をすると一時的に気分が良くなり、何度も繰り返してしまう買い物依存症。中には、買い物依存症によって経済的に破綻し、家族との信頼関係も崩れ、社会的に孤立してしまうケースもあるのです。
本記事では、買い物依存症の末路と、借金問題に陥った場合の対処法までを具体的に解説します。
買い物依存症とは？
買い物依存症は、ストレスなどから衝動的な買い物を繰り返し、結果として経済的な問題や人間関係の悪化を招く状態です。日常生活に支障が出るレベルになると、自分の意思だけでは止められなくなります。
買い物をすると気分が高揚し一時的に嫌なことを忘れられる心理状態
買い物依存症は正式な診断名ではないものの、買い物による気分の高揚から繰り返し買い物をする状態を指すものです。
欲しい物を買うのではなく、買い物行為そのものにコントロールが効かなくなります。女性に多いと思われがちですが男性にも珍しくなく、抑うつ状態の人が気分を上げるために買い物をするなど、他の症状と合併するケースもあるでしょう。
衝動的な買い物欲求が抑えられず借金を繰り返す可能性がある
買い物依存症は衝動的な買い物の欲求が抑えられないため、借金を繰り返してしまいがちです。最終的には自己破産に至るケースも珍しくありません。
リボルビング払い（毎月一定額を支払う方式）などを利用して返済を続けるうちに、返済額が膨らみ消費者金融からの借入れを繰り返す、自転車操業に陥りやすい傾向が見られます。
買い物依存症で借金や自己破産に至り経済的破綻を招くことも
買い物依存症が軽症であれば、給料内でやりくりできる可能性もあります。しかし、重度になると支払いが追いつかなくなり、金融会社からの借入れが増え、最終的に自己破産に至るケースがあるのです。
特に、リボ払いは毎月の支払額が少なく済む反面、返済期間が長引き、高い金利が発生し続けます。軽い気持ちでリボ払いを利用することで、気づいたときには元金よりもはるかに多い金額を返済することになってしまうのです。
買い物依存症の人は「今回の支払いさえしのげば何とかなる」と考え、気軽に分割払いやリボ払いを選ぶ傾向があります。借金返済中にも関わらず、過度な買い物を続けることで経済的な破綻を招くのです。
リボ払いは月々の支払いが一定額で済むため便利に思えますが、実際には高金利で元金が減りにくい仕組みです。月々の返済額が少額に設定されているため気づかないうちに負債が膨らみ、自己破産に追い込まれるケースが増加しています。 今回は、リボ払い[…]
人間関係の崩壊や社会的孤立を引き起こす
買い物依存症による経済的な問題で、家族や友人などとの人間関係が崩壊してしまうケースもあります。
買い物していることを家族に責められないよう、届いた荷物を隠したり、嘘をついてお金を借りたりすることで信頼関係が崩れていくこともあるでしょう。また、借金の返済のために周囲に頼り続けることで、人間関係に亀裂が生じ社会的に孤立してしまう可能性があるのです。
特にパートナーとの関係では、家計への影響が直接的であるため注意が必要です。隠し事が発覚したときの衝撃は大きく、最悪の場合は離婚や別れなどの深刻な問題につながることもあります。
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買い物依存症の対策
買い物依存症から脱出するためには、日常的な習慣の見直しが必要です。依存症は一人で解決するのが難しいため、周囲のサポートを積極的に求めることも大切です。
家計簿をつけて支出を記録し無駄な買い物を見直す
家計簿をつけることで毎日の支出を記録し、自分がどれだけお金を使っているかを把握できるようにしましょう。毎月どのカテゴリーに多くのお金を使っているかを分析すれば、依存症改善のポイントがはっきりします。
スマートフォンのアプリを活用すれば、手軽に家計簿をつけることができ、続けやすいのでおすすめです。支出を目に見えるようにすることで「今月はこんなにお金を使ってしまったのか」と客観的に気づくきっかけになり、行動を改善する第一歩となるでしょう。
外出するときは買い物リストを事前に作成し、リスト以外の商品は購入しないというルールを作るのも効果的な方法です。また、買い物に行く回数自体を減らすのもおすすめです。必要最低限のものだけを計画的に購入する習慣を身につけるようにしましょう。
クレジットカードやスマホ決済の利用を控え現金払いに切り替える
買い物中に現金が足りなくなり、クレジットカードで支払いをした経験がある人も多いのではないでしょうか。買い物依存症の人は、思い切ってクレジットカードを解約することが効果的です。
ネットショッピングのアプリをスマートフォンから削除するのも有効な対策になるでしょう。商品が目に触れる機会が減ることで、衝動的な欲求が生じにくくなります。セールやキャンペーンの通知も来なくなるため、誘惑に負けるリスクを抑えられるでしょう。
保健所や精神保健福祉センターなど専門機関に相談する
買い物依存症に悩んでいる場合、専門機関への相談も検討してみましょう。保健所ではこころの健康や依存症の相談など幅広い相談を行っており、電話相談や面談による相談も受け付けています。
精神保健福祉センター（こころの健康センター）は各都道府県・政令指定都市ごとに1か所ずつ設けられており、同様の相談ができます。買い物依存症は医療機関での治療も可能で、通院しながら家事や仕事を続けられる専門クリニックもあるので、利用を検討してみてください。
依存症は、自分一人の力で克服するのが難しい場合が多いです。適切な治療によって依存症の根本原因に対処できれば、再発防止にもつながるでしょう。
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買い物依存症で借金をしてしまった場合の対処法
すでに借金問題が発生している場合は、まず債務整理の検討が必要になります。
ただし、根本的な問題を解決するためには、依存症自体の治療が不可欠であることを忘れてはなりません。債務整理と依存症治療の両方に取り組むことで、真の意味での立て直しが可能になるのです。
債務整理で買い物依存症による借金問題を解決できる
買い物依存症で作った借金は債務整理で解決可能です。任意整理や個人再生、自己破産などの方法を検討するとよいでしょう。
任意整理は債権者と直接交渉して将来分の利息や遅延損害金をカットしてもらい、元金のみを3～5年で分割返済する手続きです。自分に合った手続きを選べるため、まずは弁護士や司法書士へ相談して適切な方法を提案してもらうとよいでしょう。
個人再生は、住宅ローン以外の借金を大幅に減額し、残りを原則3年で分割返済する制度です。マイホームを手放さずに済むというメリットがあるため、持ち家がある方に適した選択肢となります。
自己破産は借金をゼロにできる最も強力な債務整理ですが、一定以上の財産は手放さなければならないというデメリットもあります。どの方法が最適かは個々の状況によって異なるため、専門家に相談して判断するのが望ましいでしょう。
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債務整理するべきかどうかはどう判断する？
債務整理は返済の負担を軽減できますが、いわゆる「ブラックリスト入り」するというデメリットもあります。現時点で返済の目処が立たない場合や、既に滞納していて督促の連絡が頻繁に来る状況にある場合は債務整理を視野に入れましょう。
債務整理を検討する借金の金額としては、年収の3分の1が目安です。毎月の返済額が収入の3割を超えると家計を圧迫し、生活維持が困難になるケースが多いのです。
また、返済のために新たな借り入れを繰り返している「自転車操業」状態になっている場合も、早急に債務整理を検討するべきでしょう。
債務整理後も買い物依存症の根本治療が再発防止に不可欠
債務整理で借金問題を解決しても、買い物依存症の根本的な治療をしなければ再び借金問題が起こる可能性があります。
買い物依存症という症状以前に、なぜ買い物に依存してしまうのかなどの深層心理や、幼少期から現在までの流れを含め根本から克服する必要があるのです。借金解消後、買い物依存症の克服は専門の医療機関への相談が最も効果的といえるでしょう。
依存症治療には時間がかかるため、焦らず継続的に取り組むことが大切です。認知行動療法やグループセラピーなど、効果的な治療法もあるため、積極的に活用するとよいでしょう。
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まとめ
買い物依存症を放置すると、借金地獄や人間関係の崩壊といった悲惨な事態を招きます。家計管理の見直しや現金払いへの切り替え、そして専門機関への相談が改善への第一歩です。
すでに借金問題が発生している場合は債務整理も選択肢になりますが、根本的解決には依存症自体の治療が必要です。当事務所では、買い物依存症による債務問題の相談も随時受け付けています。一人で悩み続けるのではなく、ぜひ当事務所にご相談ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています（司法書士業務の範囲内に限る）。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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