自己破産の手続きが完了したにもかかわらず、突然以前の債権者から請求が届くことがあります。免責許可を得たはずなのに、なぜまだ請求が来るのでしょうか。借金問題が解決したと思っていたのに、再び請求が来るとパニックになりがちです。
今回は、自己破産後に請求が来る理由と、対処法について詳しく解説します。免責許可を得た後でも請求が来るケースは珍しくなく、多くの方が経験する問題です。正しい知識を身につけて、再び借金に悩まされることなく、新しい生活をスタートさせましょう。
自己破産後に請求がくる理由
自己破産手続きを経て免責許可を受けたはずなのに、なぜ債権者から請求が続くのでしょうか。多くの場合、債権者側の認識不足や、手続き上の問題が原因です。免責許可の情報が行き届いていない場合や、債権者一覧表から漏れていた可能性も考えられます。
請求が続く理由は様々ですが、適切に対応すれば解決できる問題がほとんどです。ここでは主な理由について詳しく見ていきましょう。問題の原因を理解することが、解決への第一歩です。
債権者が免責許可を知らない場合
自己破産手続きが終わり、裁判所から免責許可決定を受けても、債権者がそれを知らないケースがあります。裁判所からの通知が債権者に届いていなかったり、届いていても社内での情報共有が不十分だったりする場合です。
特に大手の金融機関や消費者金融では、債権管理部門と回収部門が分かれていることが多く、情報の連携に時間がかかることがあります。債権者内のシステム更新が遅れているために、自動的に請求書や督促状が誤って発送されるケースも珍しくありません。
債権者が免責許可を認識していない間は、通常通り請求行為が続きます。しかし、正しく手続きを行った債務については、法的に支払い義務はなくなっていますので、慌てる必要はありません。
自己破産時に債権者一覧から漏れていた場合
自己破産の申請をしたとき、債権者リストから漏れてしまった借金があると、その債権者からは請求が続くことになります。法的には、故意でなければ債権者リストから漏れた債務も免責の対象となりますが、意図的に隠していた場合は問題になるでしょう。
債権者一覧から漏れる原因として多いのは、記憶違いや書類の紛失です。債務者が多くなると、どの会社と取引をしていたか把握しきれなくなることもあるでしょう。自己破産の申し立てをする前には、できるだけ細かく債務状況を確認しておくことが大切です。
債務者が正確に分からない場合は、過去に届いた郵便などを確認してみましょう。信用情報機関に開示請求をして債務状況を確認する方法もおすすめです。
債権者一覧表に漏れがある場合、免責決定前であれば、裁判所に「上申書」を提出して追加申告することが可能です。免責決定後に発覚した場合は、対応が複雑になるため注意しましょう。
非免責債権である場合
自己破産後に催促の連絡が来る場合、自己破産しても免責されない「非免責債権」の可能性があります。税金や社会保険料などの公的債務は、自己破産しても支払い義務がなくなりません。
自己破産の手続きを行う前に、非免責債権について十分に理解しておくことが重要です。どの債務が免責されるのか、どの債務が残るのかを把握した上で、将来の生活設計を立てましょう。
非免責債権の滞納を続けると、最終的には差し押さえなど対象となる可能性が高いです。自己破産後も支払い義務が残る債務については、計画的に返済していくようにしましょう。
ただし、非免責債権の中でも、税金などの公的債務は猶予制度が設けられていることがあります。支払いが難しい場合は、役所の担当窓口に相談して分割払いなどについて相談してみるのがおすすめです。
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自己破産後に請求がきた場合の対処法
借金返済の請求が来たからといって、すぐに支払いに応じる必要はありません。法的に免責されている債務であれば、支払い義務はないのです。まずは請求の内容をよく確認し、適切な対応をとりましょう。
自己破産後に請求が来た場合、パニックにならず冷静に対処しなければいけません。免責許可を得ている債務なら、適切な対応により問題を解決できます。ここでは、具体的な対処法について解説します。
免責許可決定書を提示する
自己破産後に請求が来た場合、まず裁判所から発行された免責許可決定書を債権者に提示しましょう。決定書があれば、法的に支払い義務がなくなったことを証明できます。
免責許可決定書は、自己破産手続きが完了した後に裁判所から発行される書類です。原本を大切に保管し、コピーを取っておくと、誤って請求が来た時にも役立ちます。債権者に提示するときも、原本は手元に残しコピーを送付するようにしましょう。
免責許可決定書のコピーを取るときは、申立番号や免責許可の決定日がはっきり確認できるようにするのがおすすめです。申立番号や免責許可の決定日があることで、債権者が社内のデータベースで確認しやすくなるでしょう。
決定書の提示は、書面やFAXなど、記録が残る方法で行うのがおすすめです。電話だけでのやり取りは、後々トラブルの原因になることがあるため避けた方が無難でしょう。
免責許可決定書を紛失してしまった場合は、破産手続きを行った裁判所で再発行してもらうことが可能です。手数料がかかりますが、重要書類なので必ず入手しておきましょう。再発行した免責許可決定書は、紛失しないように保管しておく必要があります。
なお、自己破産手続きを依頼した専門家が免責許可決定書を保管してくれている場合もあります。裁判所に問い合わせをする前に、依頼した専門家に確認してみましょう。
自己破産を担当してくれた専門家に相談する
自己破産後に請求が来た場合、自分で対応する前に、自己破産を担当した司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
担当した司法書士や弁護士なら、あなたの債務状況を把握しているため、請求が来た債務の返済が必要かをすぐに判断できます。債権者一覧から漏れていた場合も、適切な対処法をアドバイスしてくれるでしょう。
専門家に相談することで、自分だけで対応するよりも早く確実に問題の解決が可能です。自己破産の手続き完了後も、しばらくは担当者の連絡先を保管しておきましょう。
また、専門家から債権者へ連絡してもらうことで、債権者側も誤った請求だと認識しやすくなります。法律の専門家からの通知は、相手としても無視できるものではないため、迅速な解決が期待できるでしょう。
自己破産後の請求問題は珍しいケースではないため、多くの司法書士や弁護士が対応に慣れています。一人で悩まず、専門家のサポートを利用しましょう。
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それでも債権者と揉めてしまったら…
多くの場合、正式な通知を受け取った債権者は請求を中止します。債権回収業務を外部委託している場合は、元の債権者にも同様の通知を送ると効果的です。
しかし、免責許可決定の写しを送付した後も請求が継続するなら、借金問題に強い司法書士や弁護士に依頼することを検討しましょう。専門家から債権者へ通知することで、ほとんどのケースは解決します。
悪質な取立行為に対しては、「貸金業法」や「債権回収管理業に関する特別措置法」による規制があります。違法な取立行為があれば、金融庁や弁護士会などに相談することも考えましょう。違法だと感じる取り立てが行われた場合、書類や電話の録音などをとっておくと安心です。
最終的に債権者が請求を止めない場合は、「債務不存在確認訴訟」という手段もあります。ただし、通常はそこまで事態が悪化することは少なく、専門家の介入によって解決することがほとんどです。
間違った請求書や督促状が届いても、無視したり破棄したりせず、証拠として保管しておくことも重要です。後々のトラブル防止のために、債権者とのやり取りは記録に残しておきましょう。
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まとめ
自己破産後の請求がくる理由としては、債権者が免責許可を知らない場合や、債権者一覧から漏れていた場合、非免責債権である場合が主な理由です。免責許可決定書を提示したり、自己破産を担当した専門家に相談したりすることで、多くの場合は解決できます。
債務整理は、人生の再出発のための手続きです。自己破産後に請求が来ても、慌てず適切に対応するようにしましょう。当事務所では、自己破産後の請求問題に関する相談も随時受け付けています。一人で悩むのではなく、まずはお気軽に当事務所にご相談ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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