自己破産するべきかどうかは、債務の状況や、今後の返済見通しやご本人の希望、また債権者との関係性等によって諸々検討すべきです。
この時役に立つのが司法書士などの専門家の知見やアドバイスです。とはいえなかなか最初から司法書士に相談するというのはハードルが高いという方もおられるでしょう。
そこで今回は、自己破産するべきかどうかを決める基準についてわかりやすく解説し、自己破産のメリットとデメリットについても徹底的に解説していきます。
自己破産とは?
自己破産をすべきか考える前に、自己破産について簡単に解説していきます。
自己破産について解説します
自己破産について解説します。
財産や収入が不足し、借金の返済が見込めないといった理由を裁判所に認められることで、借金の支払義務が免除される手続です。
これを免責と呼びます。免責が認められることで、借金を返済する必要がなくなるため、収入を生活費に使えるようになります。
自己破産の種類と特徴
自己破産には「同時廃止事件」「管財事件」「少額管財事件」との3つの種類があります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
同時廃止
同時廃止は、自己破産手続き開始決定と同時に破産手続きを終了するものです。
破産手続きは、債権者に平等に財産を配当し、免責するために行われますが、申立て書類から明らかな財産がない場合及び、調査が不要な場合は手続きの必要がありません。
そのため、破産法第216条では、破産手続の開始と同時に終了することを定めています。
管財事件
管財事件とは、ある程度の財産を持っている場合や免責不許可事由がある場合に行われる手続きです。
管財事件では、裁判所により破産管財人が選任されます。その破産管財人が破産者の財産の調査を行います。その上で財産を管理・換価処分し、それによって得たお金を債権者に平等に配当します。
少額管財事件
管財事件の中でも少額管財と呼ばれるものは、管財事件よりも簡単に自己破産をするための手続きです。
少額管財になるための条件は、高額な財産や現金、貯金を持っていないこと、ギャンブルや遊興費による借金の疑いがないことなどです。
少額管財では調査や財産処分の手間が少ないため、2~5カ月で手続きが完了することがほとんどです。
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自己破産をすべきかの基準は?
自分自身が自己破産を行うべきなのかの判断基準について解説していきます。
自己破産をするための基準
自己破産とは、借金や債務などによって、返済することが不可能になったときに行うことができる法的手続きを指します。
自己破産をするための条件としては、「支払不能」があります。
支払不能とは、現在の収入や財産から将来借金を返済することが困難な状況を指します。この概念には明確な基準はありません。
自己破産を選択する前には、財政状況を再評価し、借金返済のための代替手段(例えば、借金の期間延長や金利の低減など)がないかを検討することが重要です。
また、自己破産に伴い財産を失う可能性もあるため、詳細な情報を収集し、専門家の意見も聞くことも大切です。
自己破産をすべきかどうかの判断基準
自己破産は借金から解放されるための選択肢の一つです。しかし、全ての方にとって最善の解決策ではありません。
- 残したい財産がある
- 保証人がいて迷惑をかけたくない
- 資格制限のある職業に就いている
このような場合は、自己破産は避けるべきです。
後で詳しく解説しますが、自己破産をすると一定の範囲を除いて財産は全て処分されます。また、保証人に負担をかける可能性もあります。資格制限のある職業に就いている場合は一時的に仕事ができなくなる可能性もあるのです。
上記の条件に該当しない方で支払不能の状態に陥っている場合は自己破産を選択してください。
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自己破産をするメリットは?
自己破産を行う場合のメリットについて解説していきます。
借金の支払義務が免除される
自己破産では借金が免責されるというメリットがあります。
裁判所から免責許可が与えられると、借金の支払い義務が全て免除されます。このことにより、債権者からの支払い催促もなくなり、精神的負担も大幅に軽減されます。
家族の信用情報や財産には影響がない
自己破産は、破産者自身の信用情報や財産に影響を与えます。破産者本人だけが、事故情報が信用情報に登録されたり、財産が没収されるということです。
この影響は破産者本人だけに及ぶもので、家族の信用情報や財産には影響がないというメリットがあります。
しかし、破産によって生じた弊害は結果的に家族に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、破産者名義のマイホームが処分される場合、家族は新たな住居を探す必要が生じます。
ほとんどの住宅の価値は20万円以上であるため、処分は免れないためです。つまり、家族は破産によってマイホームを手放すことになる可能性があります。
仕事を失うことはない
自己破産と職業上の影響については、多くの人が懸念するところです。
しかし、労働基準法によれば、自己破産は解雇の事由として認められていません。そのため、通常であれば仕事を失うことはありません。
一方、会社に借金をしていた場合は事情が異なります。自己破産行うと、換価処分された保有財産が債権者に分配されますが、債権者は本来受け取るはずの利益の大部分を失うことがほとんどです。
そのため、会社から借金をしている状況で自己破産すると、借金の金額によりますが、会社に損失をもたらしたとみなされ、懲戒解雇の恐れもあるのです。
原則として自己破産をしたからと言って仕事を失うという結果には繋がりません。
心配な場合は専門家に相談しておきましょう。
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自己破産をするデメリットは?
自己破産は、金融的な問題から解決するための選択肢の一つですが、それは多くのデメリットを伴います。
自己破産を行う場合のデメリットについて解説していきます。
官報に掲載される
1つ目のデメリットとして、自己破産すると個人情報が国から発行される官報に掲載されることです。
しかし、官報は一部の人のみが見るものであり、ほとんどの人は官報の存在を知らない場合も少なくありません。
また、官報は非常に小さい文字で書かれており多くの情報が載っています。そのため特定の個人を見つけ出すのは容易ではありません。
そのため、官報から自己破産したことがバレる可能性は低いと言えますが、リスクとしては存在します。
破産手続終了まで資格が制限される
自己破産の手続中は一部の資格が制限されます。
そのため、自己破産の手続中は、その資格が必要な一部の職業には就けなくなることがあります。
これらは一部の職業に限られており、すべての職業に適用されるわけではありません。また、自己破産の手続中に資格がはく奪されることはありません。
しかし、仕事に支障が出ることは間違いないでしょう。そのため、任意整理や個人再生など、自己破産以外の債務整理を行うことも一つの手段です。
それによって、今の仕事を続けたまま借金問題を解決できる可能性があります。
信用情報に傷がつく
自己破産を行うと、信用情報機関に事故として記録され、これらの情報はローンやクレジットカード作成などの審査の際に参照されます。
これにより、全ての金融機関で借入ができなくなる可能性があります。事故情報が削除されるまでの5〜10年間は借入やクレジットカードを持つことは難しくなります。
財産が処分される
自己破産の手続きの際に、手元にある財産が処分されます。自己破産をすると自由財産以外の財産が失われることになる点に注意が必要です。
一定の自由財産については手元で持っておくことが認められていますが、換金の費用や手間のかかるものは処分されないこともあります。
処分対象となるのは価値のある財産であり、具体的には裁判所によって異なります。
保証人に迷惑がかかる
自己破産をすることで、破産した人は債務を免除されます。しかし、保証人や連帯保証人には免責が適用されません。
債務者が滞納したり、破産したりした場合、保証人が債務を弁済する義務が生じます。その場合、一括での弁済を求められる場合も少なくありません。
このように、自己破産は保証人にとって大きな迷惑をもたらすことがあります。
最近ご夫婦での自己破産の件数が増加傾向にあります。 一般的に自己破産を行ったことがわかるのは、官報掲載情報を確認しているごく一部の人たちのみに限られます。しかし最近では破産者の情報を開示してしまうようなホームページの存在も確認され[…]
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自己破産の相談先は?
借金問題の相談先としては、債務整理に強い司法書士・弁護士事務所に直接相談することをおすすめします。
他にも法テラスや、自治体の法律相談などの相談先がありますが、最終的には司法書士や弁護士といった専門家に行き着くことになります。
注意したいのは、相談した先から紹介された司法書士や弁護士といった専門家が債務整理に強いとは限らないということです。。
結局は、自分自身で債務整理に強い専門家を探したほうが効率的というわけです。自分自身で見つけ、納得した専門家であれば、安心して自己破産の手続きを任せることができます。
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まとめ
今回は、自己破産をすべきかどうかを決める基準について解説してきました。
また、自己破産については、費用がかかったり、様々な制限が付くケースもあります。借金が原則免責になるという大きなメリットがある一方で、こうしたことも押さえておかなくてはならないでしょう。
当事務所へご相談いただければ、自己破産するべきかどうかを含めて、丹念にご相談に対応させていただきます。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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