近年、仮想通貨市場の急激な下落により、多くの投資家が大きな損失を抱えています。特に価格が過去最高値から大幅に下落したことで、借金を背負う人が増加しています。
特に目立つのは20代から30代の若い投資家です。投資経験が少ないにもかかわらず、高いレバレッジ取引に挑戦し、予想以上の損失を被るケースが多く見られます。
この記事では、仮想通貨投資による借金問題と自己破産の選択肢について、分かりやすく解説していきます。
仮想通貨でできた借金は自己破産できるか?
仮想通貨取引で生じた借金でも自己破産は可能です。ただし、通常の借金とは異なる特有の要素があり、破産手続きを検討する前に理解しておくことが重要です。
全国の裁判所で仮想通貨関連の破産申立てが増加し、その判断基準が少しずつ確立されてきています。
仮想通貨の借金は原則として免責不許可事由に該当
破産法では、仮想通貨取引による借金は基本的に免責不許可事由となることがあります。これは、法律上、仮想通貨取引がギャンブルに近い「射幸的行為」と判断される可能性があるためです。
破産法第252条では、浪費や賭博などが免責不許可事由として定められており、裁判所によっては仮想通貨取引をこれらと同様に解釈するケースがあります。
特に注意が必要なのはレバレッジ取引(少ない資金で大きな取引をする方法)です。裁判所は100倍などの高いレバレッジ取引を過度なリスクを取った行為と見なし、自己破産の免責不許可事由に該当するケースが増えているのです。最近では5倍以上のレバレッジ取引も厳しく審査される傾向にあります。
裁量免責が認められる条件
裁判所は破産者個人の状況や態度を総合的に判断し、免責許可を与えるかどうかを決定します。初めての自己破産申立ては比較的寛大に扱われる傾向があり、特に30代以下の若い人に対しては、社会復帰のチャンスを与える観点から免責を認めるケースが増えているのです。
借金額が少ない場合や生活費のために投資を始めたなど、やむを得ない事情があれば免責の可能性が高まります。反省文の提出や管財人の質問に迅速に回答するなど、破産手続きへの誠実な協力も重要です。
また、裁判所は更生意欲を重視します。反省の気持ちと生活再建への意欲、職業訓練や資格取得への前向きな姿勢を示すことで、免責が認められやすくなるでしょう。
裁量免責を得るための注意点
裁判所から免責許可を得るには、破産管財人に全面的に協力することが大切です。財産状況を正確に報告し、必要な書類は速やかに提出しましょう。管財人からの連絡には24時間以内に返答するなど、誠実な対応を心がけてください。
仮想通貨の取引履歴や借金の経緯を示す資料も重要です。嘘の申告や財産を隠したことが発覚すると、免責が認められない可能性が非常に高くなります。
現状、仮想通貨取引への理解があまりない裁判官や破産管財人も多いため、取引履歴など必要書類の提出を求められたら、すべての記録を漏れなく開示しましょう。
専門家のサポートがあると、免責許可を得られる可能性が高まります。破産手続きの準備から申立て、免責後の生活設計まで、一貫したサポートを受けられるのも大きなメリットです。
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自己破産における仮想通貨の扱い
破産手続きでは保有する仮想通貨も重要な検討対象となります。破産管財人が仮想通貨を適切に管理し、現金に換える必要があるためです。
仮想通貨は価格が大きく変動するため、いつ売却するか、どのように価値を評価するかが重要な問題となっています。
仮想通貨は資産として換価処分の対象
破産手続きにおいて、仮想通貨は現金や預金と同様に換価処分の対象です。管財人は破産者が保有する仮想通貨を売却し、債権者へ分配します。ビットコインやイーサリアムなど主要な取引所で扱われている仮想通貨は、市場の価格をもとに価値が評価されます。
取引所に預けている仮想通貨は比較的簡単に売却できますが、ハードウェアウォレット(専用の保存装置)などで自分で秘密鍵を管理している場合は、管財人が押さえるのが技術的に難しいケースもあるでしょう。
また、仮想通貨は価格の変動が激しいため、いつ売却するかという「タイミング」も重要な問題です。
自由財産として認められる条件
破産法では99万円までの現金を自由財産として認めています。仮想通貨については、20万円以内であれば手元に残せる可能性があります。ただし、単に投資や投機のために持っている場合は認められない可能性もあるため注意が必要です。
管財人や裁判官の判断によっては、生活再建資金として一定額の仮想通貨保有が認められることもあります。特に、仮想通貨決済が一般的な業界で働いている場合や、仮想通貨による収入が主な生活費となっている場合は、保有の必要性を主張しやすくなるでしょう。
仮想通貨特有のリスクと対応策
仮想通貨は価格変動が激しく、破産手続き中の評価額算定が難しい面があります。取引所の破綻リスクなども考慮しなければなりません。特に新しい取引所の場合、破産手続き中に運営が停止するリスクも視野に入れておくべきでしょう。
破産手続き中に仮想通貨の価格が大きく変動すると、債権者への返済額にも影響します。基本的には破産管財人が売却のタイミングを判断し、手続きを行います。
しかし、複数の取引所を使っていたり、さまざまな種類の仮想通貨を持っている場合は、どの順番でどのように売却するかについて意見を求められることもあるでしょう。
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仮想通貨が原因で自己破産できない場合の対処法
仮想通貨取引で生じた借金でも、自己破産が難しい場合は他の債務整理方法があります。
一人ひとりの状況や将来の収入に合わせた最適な解決策を見つけましょう。
他の債務整理方法を検討する
仮想通貨による借金であれば、自己破産以外の方法でも解決できます。
任意整理では、債権者と直接交渉して返済条件を変更したり、金利を下げたりすることが可能です。仮想通貨関連の借金は一括返済に応じてくれる債権者も多いため、上手く交渉すれば負担を大きく減らせる可能性があります。
個人再生は安定した収入がある人向けの制度です。会社員なら、基本的に年収の半分を3年かけて返済する方法が一般的です。仮想通貨取引での損失があっても、収入に合わせた返済計画を立てることで借金を減額できます。
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専門家によるアドバイスを受ける
最適な解決策を見出すためには、司法書士や弁護士に相談しましょう。専門家は債務整理だけでなく、今後の生活設計についても実践的なアドバイスを受けられます。
専門家に債権者との交渉を任せると、より有利な条件を引き出せることがあります。特に仮想通貨関連の債権者は特殊な対応が必要なことが多く、専門家の知識が重要です。
返済が遅れ始めた初期段階で専門家に相談し、取立てが本格化する前に対策を講じましょう。
仮想通貨投資への再挑戦時の注意点
レバレッジ取引は原則として避け、無理のない範囲での運用を心がけましょう。投資判断の基準を明確にして、感情に流されない判断をすることが大切です。
税金対策も重要なポイントです。利益が出た場合は確定申告が必要となり、所得に応じて5〜45%の税金がかかります。利益確定時点で税金相当額を別口座に確保しておくと安心です。
取引所の選択も慎重に行う必要があります。セキュリティ体制が整っており、日本の法規制に準拠した取引所を選びましょう。取引履歴の管理や税務申告への対応がしやすい取引所を選べば、将来的なトラブルを防ぐことができます。
自己破産は免責決定後、7年間は再度の申立てが認められていません。再挑戦するのであれば、また自己破産に追い込まれることがないよう、慎重に取引するようにしてください。
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まとめ
仮想通貨の借金で自己破産は難しいですが、専門家のサポートがあれば解決できます。問題を先送りにせず、早めの相談が重要です。
正確に情報を開示し、誠実に協力すれば免責許可を得られる可能性が高まります。自己破産だけでなく、個人再生や任意整理など、状況に合った債務整理方法も検討しましょう。
当事務所では仮想通貨関連の債務整理相談についても、司法書士業務の範囲内で受け付けています。経験豊富な専門家が最適な解決策を提案します。借金でお悩みなら、まずは無料相談をご利用ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
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