自己破産における否認権とは?司法書士がわかりやすく解説!

自己破産における否認権とは?司法書士がわかりやすく解説!

自己破産を検討する中で、「否認権」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。実は、破産手続きにおいて否認権は非常に重要な制度であり、理解しておくことで思わぬトラブルを避けられます。

否認権は破産法で定められた制度で、自己破産の手続きを公平かつ透明に進めるために欠かせません。どんな行為が否認の対象になるのか、否認権はいつまで行使できるのかなど、知っておくべき点は意外と多いものです。

本記事では、否認権の基本的な仕組みから対象となる行為、時効に関する知識まで、分かりやすく解説します。借金問題に直面している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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自己破産における否認権とは?

自己破産における否認権とは?

自己破産の手続きを進めていく中で、破産管財人から「否認権を行使する」と言われても、何のことか分からず不安になるかもしれません。否認権は破産手続きにおける重要な制度ですが、一般の人には馴染みが薄いものです。

破産手続きの趣旨は、破産者の財産を金銭に替えて、債権者に対し公平に分配することにあります。否認権は、まさにそのためのものといえるでしょう。実際にどのような制度なのか、以下で詳しく説明します。

破産法の「否認権」とは

破産法における否認権とは、破産手続開始決定前であっても、破産者が行った行為が債権者に不利益を与える場合に、破産管財人がその効力を否定する権利です。

詐害行為(さがいこうい)や偏頗行為(へんぱこうい)が否認の対象となります。破産者が故意に財産を減らしたり、特定の債権者だけに返済したりすると該当する可能性が高いでしょう。

否認により、破産財団(債権者に配当するための原資)から流出した財産を取り戻し、配当という形で債権者に公平に分配することが可能となります。破産手続きの公平性を維持するための重要な制度なので覚えておきましょう。

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否認権の方法、目的、効果

否認権は、破産手続き上、破産管財人にしか認められていません。否認権を行使するには、詐害行為や偏波行為の相手方に対し、破産管財人が任意の返還請求をしたり、訴えを起こしたりするなどの方法があります。これにより、流出した財産を破産財団に戻し、債権者に公平に配当できるようになります。

債権者間の不平等を防ぐことが、まさに否認権の目的といえるでしょう。特定の債権者だけが有利になるような状況は避けなければなりません。破産手続きでは全ての債権者が公平に扱われるべきです。

否認権の効果として、破産者の不当な行為をなかったことにできるのが大きいといえるでしょう。例えば、親族に財産を贈与した行為や特定の債権者への返済が無効になり破産財団へ戻すことができれば、全ての債権者にメリットとなります。

否認権の重要性

否認権は、破産手続き制度の信頼性を維持するために重要な役割を果たしているといえるでしょう。破産者の不当な行為が行われた場合、これを正す手段として機能するからです。

仮に否認権がなければ、破産者の不当な行為は野放しとなります。結果として破産手続き制度の信頼性が損なわれることになりかねません。

否認権の行使により、破産手続きが公正かつ透明に行われることが保証され、全ての債権者の利益が守られることになると理解してください。

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否認権の対象となる行為

否認権の対象となる行為

自己破産を考えている場合、どのような行為が否認権の対象になるのかを知っておくことは大切です。行為によっては、後になって破産管財人から否認権を行使される可能性があるからです。

どのような場合に否認権が行使されるのか、ここでは具体例を見ながら理解していきましょう。

破産管財人が否認権行使を検討する場合

破産法により、破産管財人が否認権行使を検討する対象が定められています。破産者が債権者に不利益を与えることを知りながら行った財産の処分は、否認の対象になる可能性が高いでしょう。

司法書士などの代理人から債権者に受任通知を出すなど、返済できないことが明らかになった後や、破産手続きの申立て後に第三者へ財産を安く売却する行為も対象となる可能性があります。

返済できなくなった後に特定の債権者にだけ返済する行為も同様です。他の債権者との公平性を欠くとして、否認の対象となる可能性が高いでしょう。返済できなくなった後の行為は、特に否認権の対象となりやすいので注意しましょう。

否認権の対象となる例

破産者が、預金を引き出して隠したり、自宅を差し押さえられるのを防ぐため名義を配偶者に書き換えたりする行為は、債権者に不利益となるため、否認の対象となりえます。

また、自己破産を申し立てる前に、お金を借りている知人に対し、返済の代わりに自動車を譲る行為も対象となる可能性があるでしょう。

返済不能となった後に、消費者金融への返済はせずに知人からの借金だけ返す場合も同様です。この行為は他の債権者に対して不公平であり、破産管財人が否認権を行使する理由となります。

紹介した例はほんの一部ですが、公平な配当を実現するために、このような行為は否認されるので、十分に注意しましょう。

詐害行為と偏頗行為の違い

これまで解説したとおり、否認権行使の対象となるのは、主に詐害行為と偏波行為に分けられます。

詐害行為は、破産者が故意に債権者を害することを知って行った行為、つまり、債権者に不利益を与えることを知りながら行った行為を差します。財産を無償で贈与したり、相場より低い価格で売却したりする行為が挙げられるでしょう。

偏頗行為は、特定の債権者に有利になる行為を行うことで他の債権者に不利益を与えることをいいます。返済ができなくなった後に特定の債権者だけに返済する行為が代表的なものといえるでしょう。

2つの大きな違いは、詐害行為が「債権者全体に対する害意」によって行われるのに対し、偏頗行為は「特定の債権者を有利にする」という点にあります。どちらも否認権の対象となる重大な行為なので十分に注意しましょう。

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否認権の時効

否認権の時効

否認権にも時効があり、いつまでも行使できるわけではありません。自己破産を検討する際は、否認権の時効についても理解しておくことが大切です。

ここでは、否認権の時効期間やその影響、破産手続きとの関係について見ていきましょう。

否認権の時効について

破産管財人が否認権を行使できる期間である時効には、2つの考え方があります。まず、破産手続き開始の日から2年間と定められています。破産管財人は、破産手続きが始まってから2年以内に否認権を行使しなければなりません。

次に、破産者が否認権の対象となる行為をした日から10年を経過すると、否認権を行使できなくなります。それより前に行われた行為については、たとえ否認の対象となるような行為であっても、時効により行使することができません。

否認権の行使期間とその影響

破産管財人が否認権を行使することで、破産者の財産を破産財団に戻し、債権者へ公平に分配することが期待できます。破産管財人は行使期間内に調査を行い、否認行為については適切に否認権を行使しなければなりません。

行使期間が過ぎると、破産財団への回復が不可能になり、債権者に配当すべき原資が減ることになります。否認権の行使は債権者全体の公平性や利益を考慮して行うため、行使できなくなると破産手続きの進行にも影響を与えかねません。破産管財人は、行使期間を常に意識して業務を行うことが求められます。

否認権の時効と破産手続の関係

破産管財人が否認権を行使することで破産財団の回復を図れる一方、時効が過ぎると破産財団への回復が不可能となり、債権者への公平な配当を行うことができません。

破産手続きは、債権者間の公平性を保つためにも迅速かつ適切に行われる必要があります。否認権の行使は、そのための重要な役割を果たすものといえるでしょう。

否認権の時効は、破産手続き全体の進行に大きな影響を与えます。破産管財人は、適切なタイミングで否認権を行使し、最大限、破産財団への回復を図ることが求められます。

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まとめ

まとめ

自己破産における否認権は、破産者が行った不当な行為を無効にし、債権者に公平に分配するための重要な制度です。破産管財人が行使するこの権利によって、破産手続きの公平性や透明性が保たれているといえるでしょう。

否認権の対象となる行為には、詐害行為や偏頗行為があり、破産者が故意に財産を減少させたり、特定の債権者だけを有利にしたりした場合などに行使されます。否認権の行使には時効もあり、破産手続き開始日から2年間、または行為をした日から10年間という期間が設けられています。

借金問題で悩んでいる方は、自己破産を検討する前に専門家に相談することをご検討ください。当事務所では、自己破産における否認権についても詳しくご説明します。一人で悩まず、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

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