友人からの借金を隠して自己破産=犯罪!?免責NGの理由を解説します

友人からの借金を隠して自己破産=犯罪!?免責NGの理由を解説します

消費者金融を含めて多数の借金があり、さらに友人や知人から個人的に借り入れているお金があるという方から「友人や知人からの個人的な借り入れの事実は伏せた上で、金融業者からの借金のみ自己破産でチャラにしたい」というお問い合わせをいただくことがあります。

しかし、これは結論から申し上げれば不可能であり、場合によっては犯罪になる可能性もあります。さらに、そもそも自己破産の最も期待されるべき効果である免責許可決定が下りなくなる可能性も出てきます。

そこで、今回は友人からの借金を隠して自己破産を行うことはルール違反であること、また免責がNGになってしまう可能性についても言及しながら、わかりやすく解説していきます。

当事務所では24時間365日、借金問題に悩まれている方からのご相談を受付し、最短即日での取り立て停止や借金の減額交渉を行います。まずはご相談ください。

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友人からの借金を隠して自己破産するのは犯罪?

友人からの借金を隠して自己破産するのは犯罪?

友人からの借金を隠して自己破産を行うのは、犯罪にあたるのでしょうか。

以下で詳しく見ていきましょう。

免責不許可事由に該当する可能性がある

自己破産の手続きは、債権者に対する平等な扱いが必要です。

  1. 破産の決定が下されたとき、裁判所は各債権者に「債権届」という書類を提出するよう通知します。
  2. それを受けて債権者は裁判所にその書類を提出します。裁判所と裁判所に任命された破産管理人は、債権者から提出された債権届に基づいて債務の総額を計算します。
  3. それを元に破産者の財産を清算してその価値を計算し、債権者に対する債権届の額に基づいて精算した財産を配分します。

このような手続きを全ての債権者に対して行う必要があるため、破産手続き中には、債権者の平等性と手続きの厳格さが求められるのです。

なお、債権者リストに友人を載せたとしても、その友人が債権を放棄して債権届を出さないことは可能です。その場合は、友人は破産手続きの中での配当を得ることはできません。

もし、意図的に債務を隠す行為が見られた場合は、自己破産による免責を受けられなくなる恐れがあります。

財産隠しは犯罪の恐れがある

自己破産は、債務者が支払いできない状態であると認められたときに、一定以上の財産を失う代わりに借金の支払い義務を免除する救済制度です。

今後のために財産を残したいという気持ちから、財産を隠すことを検討してはいないでしょうか。

このような行為は自己破産の許可が下りなくなるばかりか、「詐欺破産罪」として処罰される恐れもあります。

詐欺破産罪になりうるケースは、以下のようなケースです。

  • 嘘の記載をして財産を隠す
  • 財産の価値を下げる
  • 他人の名義に変更する
  • 返済するつもりのない借金をした

詐欺破産罪が成立すると、逮捕されて以下のような懲役または罰金が科せられます。

  • 1ヶ月以上10年以下の懲役
  • 1,000万円以下の罰金

詐欺破産罪では懲役と罰金の両方が科せられる場合もあります

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友人からの借金を隠して自己破産は可能?

友人からの借金を隠して自己破産は可能?

友人からの借金を隠して自己破産を申請することは可能なのでしょうか。

結論から述べると友人からの借金を故意に隠することNG行為です。

以下で詳しく見ていきましょう。

すべての借金を把握されるため隠せない

自己破産を申請する際には、破産者は裁判所に債権者リストを作成して報告することが求められます。このリストに全ての債権者を記入する必要があります。

また、破産管財人からの問い合わせがあった場合は誠実に回答する義務もあります。

これらの情報は破産法によって厳密に規定されており、意図的に情報を隠蔽するような不正行為は罰則規定に抵触し、刑事罰の対象となる恐れもあります。

借金を隠すと自己破産が認められない

自己破産ではすべての債権者を隠さずに裁判所に報告する必要があります。そのため、一部の債権者を除外したり、借金を隠す行為は認められません。

友人から借金がある場合も同様です。他の貸金業者などと同様に友人も債権者として報告が必要です。友人だけ債権者に入れないことは認められません

ただし、第三者が代わりに友人からの借金を返済し、借金をなくしてしまえば債権者リストに載せる必要はありません。

隠しても調査でバレて追加される

友人からの借金を隠したとしても、調査により債務者リストの記載漏れが発覚した場合、裁判所や破産管財人は直ちに新たな債権者に対して、債権届を提出するかどうかの通知を送ります。

このように調査され、借金が発覚した場合は追加されることから友人からの借金を隠し通すことはほとんど不可能です。

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友人からの借金を優先して返すことは絶対にNG

友人からの借金を優先して返すことは絶対にNG

友人からの借金を優先して返済することは絶対にやめてください

これは偏波弁済と呼ばれる行為で、免責不許可事由に該当する恐れがあります。免責不許可事由に該当すると、免責が認められない可能性があります。

偏波弁済になる

特定の友人に借金を優先して返すことは偏波弁済と呼ばれる行為です。

先ほども説明した通り、自己破産において大切なルールが「債権者平等」です。自己破産を行う以上、破産者の財産は、ルールに従って平等な分配が必要です。

そのため、たとえ友人であっても特定の債権者に優先して借金を返済することはNGとされています。

免責不許可事由に該当してしまう

特定の相手にだけ返済すると破産者の財産が減り、他の債権者が受け取れる配当が減ってしまいます。特定の友人に借金を優先して返すことはこの行為にあたり、偏波弁済と呼びます。

破産者の財産を減らす行為は免責不許可事由に該当する恐れがあるため注意が必要です。

これは以下の条文に定義されています。

第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

引用元:e-GOV法令検索

免責不許可事由になってしまうと、管財事件にする必要がでてくるため、費用も時間もかかってしまいます。

破産管財人が否認権を利用することも

破産管財人は債務者の財産管理を厳格に行います。

そのため、偏波弁済が発覚すると破産管財人が否認権を利用することがあります。

否認権とは、破産管財人が債権者に配当されるべき破産者の財産を取り戻すことができる権利のことです。この権利は、破産者が破産手続が開始される前にした行為の効力を否定することができます。

自己破産をするという選択をすると、自分の所有物についての自由な処分が一定の制約によって制限されます。破産管財人は、債務者のお金の動きを厳密にチェックします。

もし、偏頗弁済が発覚した場合は否認権を行使して、支払いを取り消すことが可能です。

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借金をしている友人に迷惑をかけない方法

借金をしている友人に迷惑をかけない方法

友人から借金がある状態で自己破産してしまうと、ある程度迷惑がかかってしまうことは避けられません。友人にだけ優先的に返済することはできませんし、財産が配分されたとしても借金の額には及ばないことがほとんどです。

友人に迷惑をかけないために取りうる方法を以下で解説していきます。

第三者から返済してもらう

自己破産の際、友人の借金だけを優先的に返済する行為は偏頗弁済にあたるため避けなければなりません。これを行ってしまうと、全ての債権者を平等に扱わなければならないという原則に反するからです。

友人に迷惑をかけないためには、なんとかして借金を返済する必要があります。

この時、破産者の代わりに第三者に支払いをしてもらうことが可能です。知人や親族などの第三者から、債権者である友人に支払ってもらえば、破産者の財産は減少することはありません。

これを行う場合も、司法書士や弁護士といった専門家に相談することが重要です。

破産手続きがまだ終了していない場合や、第三者弁済をする場合は、必ず事前に相談し、偏頗弁済に陥らないように証拠を取ることが大切です。

破産手続きが終了する前に、第三者が債権者に支払った分を破産者が支払うことは避けてください。これは、免責不許可の事由となる可能性があります。

免責確定後、友人に借金を返済する

破産法により、免責決定を受けた元債務者に支払いを迫ったり、保証人になるよう迫ったりすることは禁止されています。

このような行為は罰金制度や刑法上の恐喝罪の適用によって厳しい制裁が科される可能性がります。

ただし、免責決定後に、破産者自身が自発的に借りたお金を返済することは可能です。免責は「支払い義務をなくす」制度であり、「支払ってはならない」制度ではありません。

友人などの親しい関係にある方への支払いを自己破産によって免除し、支払いを行わないことは今後の付き合いにも影響します。

免責許可後に得た財産は自由に使えますので、「本当に申し訳ないから、少しずつでも返します」と連絡し、少しずつでも返済していくようにしましょう。

任意整理で債務整理をする

借金が返せなくなった場合の選択肢として、任意整理も一つの手段です。

自己破産や個人再生といった裁判所を介す手続きは全ての債権者を裁判所に知らせる必要があります。友人からの借金についても除外できません。

任意整理は、司法書士などの専門家が代理人となって、債権者と交渉を行い、可能な範囲で返済プランを立てるというものです。

大きな減額は期待できませんが、減額する債務を選べる、つまりは友人を債権者から外せるという利点もあります。

友人に迷惑をかけないという点では、任意整理を選択することで他の借金を減額し友人への借金は約束通り返済するというのが良い方法です。

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まとめ

まとめ

今回は「友人からの借金×自己破産」というテーマで解説してきました。

友人からの借金を隠して自己破産手続きを行うことは違反であり、場合によっては免責不許可事由に該当するなどして自己破産が失敗に終わるばかりか「詐欺は散財」で処罰される恐れがあります。

とはいえ、このように借金の状況によって債務整理を行うかどうかを細かく指定したいというケースがあることは間違いのない事実です。

こうした場合にはまず、債務整理全般に強く相談が可能な司法書士事務所へお問い合わせ頂くことが宜しいでしょう。

当事務所では、債務整理全般についてでき30年以上のベテラン司法書士が司法書士としての経験はもちろん、司法書士本人の人生経験の中から最適な債務整理の方法をご提案させていただきます。

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