借金の返済に苦しんでいる場合、自己破産は最後の手段として選択肢の一つかもしれません。しかし、実際に自己破産をすると何が起きるのかご存じでない方も多いでしょう。家族や仕事、生活にどんな影響があるのか気になるはずです。
この記事では、自己破産の基本的な仕組みから手続きの流れ、かかる費用など自己破産に関する重要な情報をわかりやすく解説します。また、自己破産が家族や仕事、生活に与える影響について具体的なケースを交えながらお伝えします。
自己破産は人生の再スタートを切るための手段ですが、同時に大きな決断でもあります。この記事を読んで、自己破産について正しい知識を身につけておきましょう。
自己破産の基本情報
自己破産を考えている場合は、その前に基本的な情報をしっかりと確認しておくことが重要です。そこで、自己破産の概要や手続き、費用について解説します。
自己破産とは
自己破産とは、法律に基づいて借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、返済義務を免除してもらう手続きです。自己破産が認められれば、借金に追われる生活から脱出できるでしょう。
ただし、自己破産が認められるためには一定の条件を満たす必要があり、またすべての借金が免除されるわけではありません。具体的には、税金や養育費などの特定の債務は自己破産の対象から除外されています。
さらに手続きには細かい手順や必要書類が多く、専門家の助力が不可欠となることが少なくありません。自己破産後は新たな借金を背負うことが難しくなるだけでなく、信用情報にも大きな影響を及ぼすため、慎重な判断が求められます。
自己破産の手続きの流れ
自己破産の手続きは、まず裁判所に申し立てを行うことからスタートします。この際、債権者一覧表や収入・支出の明細書、財産目録など必要書類の提出が必要です。
申し立てが受理されると、裁判所から破産手続き開始決定が下され、正式な手続きが始まります。同時に、債権者からの取り立ては一時的にストップします。
次に行われるのが、審尋(しんじん)と呼ばれる手続きです。この段階では、裁判所が借金を免除するかどうかを慎重に審査し、申請者の誠実な協力や隠し財産の有無などを確認します。審査の結果、免責許可が下りれば、債務が法律的に消滅します。
自己破産の費用
自己破産には代理人の費用だけでなく、申し立て時における収入印紙代や郵便切手代などの雑費も必要となります。自己破産にはある程度の費用がかかる点に気をつけておきましょう。
\LINEで気軽に相談可能!/
自己破産が家族に与える影響
自己破産が決定すると、本人だけでなく家族にも少なからず影響が及ぶことがあります。そこで、家族の財産や信用情報への影響、そして生活全般にどのような変化が発生するのか見ていきましょう。
家族の財産への影響
自己破産を申し立てた場合、原則として自己破産者本人の財産が処分の対象となります。現金や預金、不動産、車両などが含まれますが、家族名義の財産は基本的に影響を受けません。
つまり、家族名義の預金や不動産は自己破産手続きの対象とはならないのです。
家族の信用情報への影響
自己破産者本人の信用情報には事故情報が登録され、新たなクレジットカードの発行やローンの申し込みが制限されます。
しかし、この影響はあくまでも自己破産者本人に限られ、家族の信用情報が直接的な影響を受けることはありません。そのため、家族が新たにクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりすることは基本的に妨げられないのです。
家族の生活への影響
前述したとおり、自己破産によって、本人名義の家や車が処分されるケースがあります。特に、持ち家や高価な車を所有している場合は裁判所に処分されるでしょう。そのため、自己破産者本人だけでなく、家族全体の住環境や生活スタイルが大きく変化すると考えられます。
持ち家が処分される場合には、引っ越しを余儀なくされるでしょう。新居を探すときにも、信用情報への影響から賃貸契約がスムーズに進まない可能性があります。
また車が処分されれば、通勤通学や家族での移動手段に支障をきたすことも予想されます。このように、自己破産が家族全体の生活に及ぼす影響は多岐にわたります。
\LINEで気軽に相談可能!/
自己破産が仕事に与える影響
自己破産が仕事にどのような影響を及ぼすのか、不安を抱えている方も多いでしょう。職業制限や会社への影響、そして転職について詳しく解説します。
職業制限
自己破産をすると、特定の職業には制限がかかる場合があります。例えば、弁護士や税理士といった士業、警備員など特定の職業については、法律上、自己破産の間はその職業に就けません。
しかし、自己破産が終了すれば資格を取得できるようになり、再び元の職業に戻ることも可能です。
会社への影響
自己破産が直接会社に重大な影響を及ぼすことは、あまりありません。また、自己破産を理由に解雇されることも法律で禁止されているため、多くの人が心配しがちな「解雇されてしまうかも」という不安は取り越し苦労といえます。
ただし、自己破産をすると職場の信用問題に発展する可能性がありますので、会社全体に影響を与える可能性は否定できません。
転職への影響
自己破産を理由に採用を断られることは、ほとんどありません。
ただし、特定の職業、特に士業や金融関係の職種に転職を考えている場合には注意が必要です。
\LINEで気軽に相談可能!/
よくある質問と回答
自己破産に関するさまざまな疑問について、読者の方が気になる点をまとめました。家族への影響や、仕事の継続、費用面など具体的な質問にお答えしますので、ぜひ参考にしてください。
自己破産すると家族に迷惑がかかりますか?
自己破産をすると、家族にどのような影響が及ぶのか心配される方が多いようです。基本的に、自己破産者本人の財産が処分の対象となるため、家族名義の財産には影響しません。例えば、配偶者名義の家や車には手が付けられないのです。
しかし、手続きによっては住んでいる家が処分の対象となる場合もあります。その際、家族が一緒に住んでいる場合は要注意です。
家族が今まで住んでいた家にいられなくなってしまう可能性がありますので、自己破産が家族の生活に与える影響は無視できません。
自己破産すると仕事を失いますか?
自己破産をすると、仕事を失うのではないかという不安も多くの方が抱えているようです。しかし、自己破産を理由に解雇されることは基本的にありません。なぜなら、法律でそうした差別的な措置は禁じられているからです。
ただし、特定の職業の場合には注意が必要となります。例えば、弁護士や公認会計士、税理士など信用が重要な職業の場合、自己破産は一時的に職業の資格を失う原因となりかねません。
自己破産が直接仕事を失う原因とはなりにくいですが、一部の職業や職場環境によっては注意が必要です。
自己破産の手続きにはどのくらいの費用がかかりますか?
自己破産の手続きにかかる費用には、弁護士費用と裁判所への申立費用が含まれます。これらの費用について詳しく見ていきましょう。
まず、弁護士費用は、一般的には約46万円かかるとされています。弁護士が手続きを代行してくれるため、スムーズな進行が期待できます。また、弁護士の選び方や依頼する際の注意点についても、事前に調べておくと良いでしょう。
次に、裁判所への申立費用についてですが、自己破産の申立費用は事件の種類によって異なります。例えば、管財事件の場合は約40万円が必要ですが、同時廃止事件の場合は約12,000円とされており、このようにかかる費用に大きな差があるのです。
そのため、それぞれの事件の違いをしっかり理解し、自分がどの事件に該当するのかを確認しておくことがポイントといえます。
またその他の費用として、収入印紙代や郵便切手代、書類作成にかかる費用なども考慮する必要があります。
借金の返済ができなくてこの先一体どうしたらいいのか分からない...自己破産をすれば借金がなくなるから最終手段として自己破産を考える人も増えています。 いざ自己破産をする流れになったと言っても、一体どのようにして行えばいいのか分からない[…]
\LINEで気軽に相談可能!/
まとめ
自己破産は借金の返済が苦しい状況で選択肢となる手続きですが、家族や仕事、生活への影響は少なくありません。
家族への影響としては、自己破産者本人の財産が処分の対象となるため、持ち家や高価な車を所有している場合は注意が必要でしょう。また仕事への影響としては、特定の職業に就いている場合は職業制限があるため確認が大切です。
自己破産の手続きにはある程度の費用がかかりますが、借金問題を解決するための手段の一つとして検討に値するでしょう。
借金問題の解決方法については、他の記事でも詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
借金返済にお困りなら今すぐご相談ください
当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。