突然アペンタクル株式会社から書面が届いて困惑していませんか。多くの方は見知らぬ会社名に不安を感じるでしょう。実はアペンタクルは、以前の消費者金融「ワイド」から社名変更した会社で、古い借金の回収を目的に連絡してくることがあります。
闇雲に対応すると返済義務がなかった債務を払わされる可能性もあるため、正しい対処法を把握することが重要です。本記事ではアペンタクルから連絡が来た意味と適切な対応方法について、司法書士の視点から詳しく解説します。
アペンタクル株式会社とは?
アペンタクル株式会社は会社名が変わっただけで、かつて多くの方が利用していた消費者金融「ワイド」と同じ会社です。現在は新規貸付は一切行わず、過去の債権を回収する業務を行っています。
アペンタクル株式会社の会社概要
アペンタクル株式会社は栃木県宇都宮市に本店を置き、主に債権回収業務を行っている企業です。かつては消費者向けの貸付業務も行っていました。
しかし、現在は貸付業務を廃止。過去の貸付分の回収業務のみを行う「みなし貸金業者」として活動しています。みなし貸金業者とは、貸金業法上の登録は持っているものの、新規の貸付は行わず、過去の債権回収だけを行う事業者のことです。
アペンタクルから連絡がくる理由
アペンタクルから突然連絡が来た場合、ほとんどのケースは「ワイド時代」の借金を滞納している可能性が高いです。長期間放置されていた未払いの債務を回収するために、請求書や通知書が届いているのだと認識しましょう。
「心当たりがない」と思っても、過去に利用した金融サービスの中に「ワイド」からの借入が含まれていた可能性があります。古い借金で記憶に残っていないケースは珍しくありません。会社名が変わったことで「知らない会社からの請求」と勘違いし、対応に困る方も多く見られます。
架空請求ではないのか?
前述したとおり、アペンタクル株式会社は、以前は中堅消費者金融として知られていた「株式会社ワイド」が前身です。かつてのワイド時代に借入をしていた方にとっては、突然「アペンタクル」という聞き慣れない名前の会社から書面が届くと、「架空請求ではないか」と誤解してしまうことがあります。
しかし、実際には同一の法人が名称変更したものであり、株式会社ワイド時代の債権を継続して保有・回収している会社なのです。架空請求である可能性は低いでしょう。
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アペンタクルからの連絡への対処法
アペンタクルから連絡が来た場合、まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。焦って電話をかけたり、書類に記入したりすると、後々不利になる可能性があります。正しい対処法を知り、冷静に対応することが問題解決への第一歩となるでしょう。
アペンタクルからどのような連絡が来るのか
アペンタクルからは主に「催告書」「最後通告書」「訪問通知書」といった書面が送られてくることが多いです。黄色い用紙の「お客様アンケート・変更届」などが同封されていることもあるようです。この書類には返済希望金額や連絡先などを記入する欄があり、返送を求められます。
訪問予告後には切手の貼っていない封筒が郵便受けに入っていることがあります。これは、留守中にアペンタクルの担当者が訪問したことを示すものです。
連絡が来た際の確認すべきポイント
アペンタクルからの通知に記載されている最終取引日を確認し、5年以上経過しているかどうかをチェックすることが重要です。消費者金融からの借金は、最終取引日から5年で時効になり、返済する必要がなくなります。
ただし、過去に裁判を起こされていると時効の経過が中断、リセットし、そこから10年という期間が経過していない限り、時効を主張することができなくなってしまうのです。
こうした事情があるため、届いた通知は捨てずに全て保管しておくことをおすすめします。アペンタクルから届いた書類の多くは、時効援用を検討する上での重要な情報です。
アペンタクルへの対応でしてはいけないこと
慌ててアペンタクルに電話して支払いの相談をすることは避けるべきです。不用意な発言をしてしまうと「債務承認」となり、時効が更新されてしまう恐れがあります。
「お客様アンケート・変更届」に返済希望金額等を記入して返送するのも危険です。これも債務承認となり、時効の援用が使えなくなる可能性があります。
分割払いの相談や損害金の減免をお願いするといった発言も、支払う意思を示す債務承認になりかねません。時効の可能性がある場合は特に注意が必要です。
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アペンタクルからの連絡を無視するとどうなるか?
アペンタクルからの連絡を無視することは良い選択とは言えません。無視し続けると状況がエスカレートし、対応がさらに難しくなる可能性があるからです。では、どのような展開が予想されるのか、以下にて確認していきましょう。
自宅訪問される可能性がある
アペンタクルは、通知を無視すると何度も自宅を訪問する可能性があります。事前に「訪問通知書」を送ってくることもありますが、予告なく訪問されることもあるでしょう。
債務者との接触を図るため、留守時にも訪問し、切手の貼っていない封筒を郵便受けに入れることがあります。封筒には支払いを促す内容や次回の訪問予定などが記載されています。
自宅訪問の際に不用意に対応すると債務承認につながる恐れがあるため、訪問前に時効援用を検討すべきです。
裁判所を通じた法的手続きが始まるリスク
アペンタクルは時効期間経過後の債権についても裁判を起こしてくることがあります。その場合、裁判所から訴状が届くことになるでしょう。
裁判所から特別送達という郵便で訴状が届き、アペンタクルが裁判を提起してきたことが判明します。この訴状は放置せず、必ず対応しましょう。
訴状が届いても、最終取引日から5年経過していれば答弁書に時効を援用する旨を記載して裁判所とアペンタクルに提出することで対応可能です。ただし、裁判手続きは複雑なため専門家に相談することをおすすめします。
強制執行によって財産が差し押さえられる危険性
裁判所の判決や支払督促が確定すれば、給料などの財産を差し押さえられる可能性があります。これは「強制執行」といって、支払いを強制するための法的手段です。
アペンタクルは専門家が代理人としてついていても強制執行をする強硬な面があり、基本的には一括での支払いを要求してくることがほとんど。個人で対応し続けるのはリスクでしかないため、専門家に事情を説明し、対応してもらうのがおすすめです。
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アペンタクルからの請求への対処法
アペンタクルからの請求に対しては、状況に応じた適切な対処法があります。特に時効の可能性がある場合は、正しい手続きを踏むことで支払い義務から解放される可能性があります。また、時効が成立しない場合でも、債務整理などの選択が可能です。
時効援用
前述のとおり、アペンタクルからの請求は、最終取引日から5年以上経過し、債務承認をしていなければ「時効援用」という法的手続きで解決できる可能性があります。時効援用とは、債務者が法律で定められた時効期間の経過を主張することです。
時効援用をするには、債権者であるアペンタクルに対して明確に意思表示を行う必要があります。一般的に「内容証明郵便」を利用して時効援用の通知を送ることが推奨されます。
時効援用が成立すると支払義務がなくなりますが、5年以上滞納しているからといって自動的に時効にはなりません。必ず「時効援用」の手続きを行う必要があります。この点は多くの方が誤解しているポイントです。
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債務整理
時効援用ができない場合は、債務整理を検討する方法もあります。債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、状況に応じて選択することができます。
とはいえ、アペンタクルは債権回収がメイン業務であることからも、回収に時間がかかってしまう任意整理の提案には応じてくれないことも多いです。しかし、自己破産や個人再生といった裁判所を使う手続きであれば、アペンタクルも従わざるを得ません。
年金受給中や生活保護など厳しい生活状況であっても、アペンタクルは一切妥協せず一括での支払いを要求してくる傾向があります。そのため、状況によっては裁判所を介した手続きが必要になることもあるでしょう。
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司法書士へ相談するメリット
時効援用や債務整理を検討している場合、司法書士に相談することで手間や時間のかかる手続を代行してもらえるメリットがあります。専門知識がなくても安心です。
司法書士に依頼することで、適切な時効援用の手続きを行い、アペンタクルからの強引な取り立てに対して法的に対応できます。内容証明郵便の作成から送付まで、確実に行ってくれるでしょう。
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まとめ
アペンタクル株式会社からの連絡は、過去の借金に関する回収活動である可能性が高いです。最終取引日から5年以上経過していれば、時効援用の可能性があります。
ただし、焦って連絡したり書類に記入したりすると、債務承認となり時効援用ができなくなってしまう恐れがあるため注意が必要です。連絡を無視し続けると、自宅訪問や法的手続きへと発展する可能性があります。状況に応じて時効援用や債務整理などの対応を検討しましょう。
当事務所ではアペンタクルからの連絡に関する相談も随時受け付けています。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
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当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。
当事務所は任意整理・個人再生・自己破産に対応しています(司法書士業務の範囲内に限る)。どの手続きが良いか分からない場合、ご依頼者様の状況を見てご提案しますのでご安心ください。