借金問題の解決策として知られる任意整理。その最中に新たな借り入れを考えている方もいるかもしれません。しかし、安易な判断は避けるべきです。なぜなら任意整理中の借り入れには様々なリスクが伴うからです。
この記事では、任意整理中の借り入れについて、その可能性やリスク、注意点を詳しく解説します。債務整理中の方はもちろん、将来的に任意整理を検討している方にも参考になる情報をお届けいたします。
任意整理中でも借り入れできるのか
任意整理を始めると、新たな借り入れはかなり難しくなります。その理由と例外的なケースについて見ていきましょう。
基本的には借り入れはできない
任意整理を開始すると、信用情報機関にネガティブな情報が登録されます。これにより、通常の金融機関からの借り入れはほぼ不可能になります。任意整理中の方は審査には通らないのが一般的です。
例えば、銀行やクレジットカード会社、大手消費者金融などでは、任意整理中の方への融資は極めて困難です。
例外的に借り入れができるケース
ただし、状況によっては借り入れが可能な場合もあります。
1つ目は、すでに借り入れ中の業者からの追加融資です。既存の取引関係がある場合、一定期間は追加融資に応じてくれる可能性があります。
しかし、弁護士や司法書士から債権者へ受任通知が送付されると、通常は数か月以内に借り入れができなくなります。これは、債権者側が任意整理の事実を把握し、新規の融資を控えるためです。
2つ目は、中小消費者金融からの借入です。中小消費者金融の中には、独自の審査基準を持つところもあります。信用情報をそれほど重視せず、現在の返済能力を中心に審査する業者もわずかながら存在するため、借入できる可能性があるでしょう。
ただこうした業者は少数で、見つけるのは容易ではありません。
「審査なし・ブラックOK」をうたう業者への注意
ここで、非常に重要な注意点をお伝えします。「審査なし」「ブラックOK」「即時入金」などをうたう業者には要注意です。こうした文言を掲げる業者の多くは、いわゆる闇金である可能性が高いのです。
闇金は違法な高金利で営業していることがほとんどで、一度借りてしまうと返済が困難になるケースが後を絶ちません。任意整理中はもちろん、どんな状況であってもこうした業者からの借り入れは絶対に避けるべきです。
むしろ、このような業者を見つけた際にはすぐに警察や消費生活センターに相談しましょう。
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任意整理後はいつから借り入れできるのか
任意整理を終えた後、いつから再び借り入れができるようになるのか。ここでは、その目安と注意点について説明します。
完済から5年後に信用情報が回復
任意整理による債務の完済から5年が経過すると、信用情報機関に登録されていた記録が削除されます。これは、個人信用情報機関の規定によるものです。
この時点で、通常の借り入れが可能になる可能性が高まります。しかし、必ずしも全ての金融機関から融資を受けられるわけではありません。各金融機関の審査基準によっては、さらに時間が必要な場合もあります。
借り入れ再開時の注意点
借り入れを再開する際には、いくつかの注意点があります。まず、事前に自身の信用情報を確認することが大切です。完済から5年が経過していても、何らかの理由で信用情報が自動的に削除されていないケースもあるためです。
また、任意整理後は過去の借り入れ履歴が白紙になっています。つまり、クレジットヒストリー（クレヒス）が新規の状態になるのです。このため、新規の借り入れとして審査されることになり、各金融機関の審査基準を改めて満たす必要があります。
収入や勤務状況、他の債務の有無など、総合的に審査されることを念頭に置いてください。無理のない範囲での借り入れを検討しましょう。
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任意整理中に借り入れをするリスク
任意整理中の新規借り入れには様々なリスクが伴います。ここでは、主に3つのリスクについて解説しましょう。
任意整理が困難になるリスク
新たな借り入れにより債務が増加すると、任意整理の交渉が難しくなる可能性があります。債権者は、債務者の返済能力を見極めながら交渉に応じています。新規の借り入れは、その返済能力に疑問を投げかけることになりかねません。
最悪の場合、債権者から任意整理の合意を得られなくなってしまうこともあるでしょう。これは、任意整理の目的である債務の軽減や返済条件の緩和が実現できないことを意味します。結果として、債務問題の解決が遠のいてしまう恐れがあるのです。
返済が困難になるリスク
新たな借り入れは、当然ながら返済義務を伴います。任意整理中は既存の債務の返済で精一杯の状況にあることが多いため、新規の借り入れによって返済負担が増えれば、さらに返済が苦しくなる可能性が高いでしょう。
返済が滞れば延滞情報が信用情報に記録され、将来の金融取引に大きな支障をきたす恐れがあります。最悪の場合、自己破産に至るリスクさえも生じるのです。
弁護士・司法書士が辞任するリスク
任意整理中の新規借り入れは、依頼者と弁護士や司法書士との信頼関係を損なう行為と言えます。多くの場合、任意整理を依頼する際に新規の借り入れを行わないことを約束しているはずです。
この約束を破ることで、弁護士や司法書士が任意整理の代理人を辞任する可能性があります。代理人が辞任すれば、債権者との交渉を自分で行わなければならなくなり、専門的な知識や経験がない状態で困難な交渉に直面することになりかねません。
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任意整理中の借り入れに関するQ&A
任意整理中の借り入れについて、よくある質問とその回答をまとめました。
Q.任意整理中の借り入れはばれるのか？
結論から言えば、新たな借り入れはほぼ確実にばれます。なぜなら、債権者は定期的に債務者の信用情報をチェックしているからです。新規の借り入れがあれば、その情報はすぐに債権者の目に留まる可能性が高いのです。
ばれた場合、債権者からの信頼を失い有利な条件での和解が困難になる可能性があるなど、任意整理の交渉に悪影響を及ぼします。また、弁護士や司法書士との関係も悪化し、円滑な任意整理の進行が妨げられるでしょう。
Q.任意整理中に生活費が足りない場合はどうすればいい？
生活費が足りないからといって、安易に新規借り入れを考えるのは危険です。まずは、任意整理を依頼している弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。債務整理の専門家であるため、状況に応じた適切なアドバイスをしてくれるはずです。
生活保護や各種社会保障制度の利用も検討しましょう。これらの制度は、経済的に困難な状況にある方を支援するためのものです。また、可能であれば親族や知人からの一時的な援助を検討するのも一つの選択肢です。
Q.任意整理中の借り入れで罰則はあるの？
任意整理中の借り入れに対する法律上の罰則はありません。しかし、それ以上に重大な問題が生じる可能性があります。
まず、任意整理の合意が破棄される恐れがあります。債権者との信頼関係が崩れることで、それまでの交渉が白紙となる可能性があるのです。
また、金融機関からの信用を失うことで、今後の金融取引に大きな影響を与えます。これは、将来的な生活再建の妨げにもなります。
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まとめ
任意整理中の借り入れは、非常にリスクの高い行為です。基本的には避けるべきであり、どうしても資金が必要な場合は、まずは債務問題に特化した認定司法書士に相談することをおすすめします。
当事務所では、任意整理中の方々の悩みに丁寧に対応しています。生活費の問題や債務の返済に関する不安など、どんな小さな悩みでも構いません。一人で抱え込まず、専門家に相談することで、より良い解決策が見つかるはずです。
任意整理は、あくまでも債務問題解決の第一歩。その後の生活再建まで視野に入れた長期的な計画が重要です。焦らず、着実に前に進んでいくことで、最終的にはよい結果につながるでしょう。
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