自己破産を検討せねばならないほど切羽詰まっている方には、必ずと言って良いほど共通した行動パターンがあります。
それが多重債務状態を何とかして脱却しようと「クレジットカード現金化」に手を出すというものです。しかし、この行為は実は自己破産ができないというリスクを抱えています。
今回はその理由について詳しく解説していきます。
クレジットカード現金化とは?
クレジットカード現金化とは、文字通りクレジットカードを使ってお金を手に入れる行為のことを指します。
クレジットカード現金化は、主に消費者金融から借金をしている人が、返済のために行うことが多いものです。
具体的にはクレジットカードのショッピング枠を利用して換金性の高い商品を購入し、それを業者などに売却することで現金を得るのが一般的な流れとなります。
換金率は業者によって異なりますが、最近流行りの(流行ってはいけないのですが)ネット専売型で行っているような業者であれば、おおむね90%以上の換金率で買い取ってくれることもあります。
このように、クレジットカード現金化は、一見すると非常に便利な方法に見えるかもしれませんが、実際には大きな落とし穴があるのです。
それは、クレジットカード現金化を行うと、自己破産できなくなる可能性を含めたいくつかのリスクがある、ということです。
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クレジットカード現金化のリスク
では、なぜクレジットカード現金化を行ったら自己破産できなくなってしまうのか。
そしてそもそも、クレジットカード現金化にはどういったリスクがあるのか。
具体的にクレジットカードの現金化は、自己破産ができなくなるリスクを含め、以下のようなリスクを含んでいます。
- そもそも返済が追いつかなくなる
- カード会社の利用規約に違反することになる
- カード強制解約の可能性がある
- 違法業者に当たると事件に巻き込まれるおそれがある
- 個人情報が外部に流出するおそれがある
では、順に見ていきましょう。
そもそも返済が追いつかなくなる
まず最初に、クレジットカード現金化を行ってしまうと返済が追いつかなくなるリスクが高くなります。
なぜならば、クレジットカード現金化というのは、「借金を返すために借金をする」という行為だからです。
つまり、借金を返せるだけのお金がない状態で、さらに借金を重ねてしまう(※それも条件の悪いものを)わけですから、当然のごとく支払い能力を超えてしまって遅かれ早かれ、破綻します。
よって、こうした返済に関するリスクがあることから基本的にカードの現金化は延命措置でしかないと思っていただいたほうがよろしいでしょう。
余談ですが、以前とある地方都市で生活の知恵としてクレジットカード現金化をママ友に推奨し、自身がカード現金化業者として商売をしていた人物が摘発されたことがあります。
さらに利用していた多くの主婦の方々がこぞって自己破産や債務整理を行ったという、思わず目を覆いたくなるような事例もありました。
カード会社の利用規約に違反することになる
最近は基本的にどのクレジットカード会社も契約約款に「クレジットカード現金化」の項目を設けており、そこに「クレジットカード現金化」そのものを禁止する旨が記載されています。
クレジットカード会社の規約違反で以下のようなペナルティが課せられる可能性があります。
- カード利用停止
- 強制解約
- ショッピング枠の減額
- 一括返済の要請
こうしたリスクもあることから、クレジットカード現金化は絶対に行わないようにしましょう。
カード強制解約の可能性がある
「クレジットカードのショッピング枠で換金性の高い商品を購入する」という行為を何度か繰り返すと常にモニタリングセンターなどでマークされるようになります。
換金性の高い商品をカードで購入し、さらにその購入代金の支払いが滞ってしまうと、クレジットカード会社はかなり早い段階で「この人はクレジットカード現金化を行っている」と判断して、強制解約に踏み切ることがあります。
これは、クレジットカード会社が「クレジットカード現金化」という行為自体を禁止しているからであり、利用状況によっては事前の予告、警告なしにある日突然カードが強制解約されてしまうこともあるのです。
強制解約された場合、そのクレジットカードは二度と使うことができません。
違法業者に当たると事件に巻き込まれるおそれがある
中にはカード現金化業者を標榜しておきながら、その実態は闇金グループであったり、あるいは何らかの形で違法金融業者と癒着しているケースも存在しています。
そうした業者に関わってしまうと、クレジットカード現金化のみならず、違法な金利での貸付を受けることに繋がりかねません。
個人情報が外部に流出するおそれがある
さらに、クレジットカード現金化業者の中には、顧客の情報を不正に入手して、それを悪用しようとする悪質な業者も存在するのです。
このように、クレジットカード現金化は、一見すると便利そうに見える反面、様々なリスクを含んでいるのです。
クレジットカード現金化と自己破産の関係
クレジットカード現金化と自己破産には密接な因果関係が存在します。
クレジットカード現金化は仕組み上、どんな商品でも実行は可能です。
よって換金性の高い商品であれば何でも良いのですが、一般的には貴金属類やブランド品、もしくは公共交通機関の乗車券・特急券などが挙げられ、これらをカードで購入した履歴があると免責不許可事由に該当するおそれがあります。
自己破産は、裁判所によって「債務の全額免除(免責)」が認められなければ効果を発揮することができないわけですが、この「免責」を認められない免責不許可事由があるかどうかの判断基準の一つが「クレジットカード現金化」なのです。
これは簡単に言うと「返済不能な状況なのに自己破産などの手続きを何とか回避したいという考えから明らかに見合わない高値でものを買い、そして明らかな安値で売却するなどしてお金を得ていたような人は不誠実であるから免責しません」という話になります。
この文言に沿って考えると、クレジットカードの現金化はドンピシャリで当てはまります。
なお、クレジットカード会社から「現金化行為があったのでカードを強制解約する。ついては期限の利益を喪失しているので残債をすぐに支払うように」などの通知が来ている場合は、もはや言い逃れもできないでしょう。
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クレジットカード現金化をしてしまったけど免責をもらう方法はある?
では、クレジットカードの現金化をしてしまったが、免責をもらいたい!という場合、なにか方法はないのでしょうか。
クレジットカード現金化をした場合は、通常自己破産はできませんが、実は免責を受けられる可能性がまだ残されています。それが「裁量免責」と呼ばれるものを裁判所で受けることです。
では、具体的にどうすれば裁量免責が受けられるかというと、やはり大切なのは借金問題の専門家である司法書士・弁護士等と事前の打ち合わせを綿密に行うことです。
というのも、自己破産の申し立てを行う際には司法書士や弁護士など法律のプロに依頼するのが一般的です。
そして、その専門家に「自分はクレジットカード現金化をしました。しかし、どうしても免責が欲しいので、なんとかならないですか?」などと相談を持ちかけてしまいましょう。
司法書士や弁護士には守秘義務がありますから、ご自身にとって都合の悪いことも安心して全て打ち明けていただいて構いません。
その上で裁量免責が得られるように事前の準備を専門家と共にしっかりと行い、裁判所に対して誠実な態度で臨むことこそが重要なポイントとなります。
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まとめ
今回は、「クレジットカード現金化」と「自己破産」について解説いたしました。
もし、すでにクレジットカード現金化に手を出してしまったという方は、今すぐ専門家に相談することをお勧めします。
例えば当事務所では歴30年以上のベテラン司法書士が対応しており、24時間365日受付の窓口も設けることでこうした状況におられる方からのご相談も随時受け付けております。下記ボタンよりお気軽にご相談ください。
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